研究課題/領域番号 |
12610418
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
考古学(含先史学)
|
研究機関 | 城西国際大学 |
研究代表者 |
倉林 眞砂斗 城西国際大学, 人文学部, 教授 (90186495)
|
研究分担者 |
澤田 秀実 くらしき作陽大学, 食文化学部, 助教授 (40264577)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | 前方後円墳 / 大型円墳 / 首長 / ネットワーク / 河川交通 / 石棺 / 円筒埴輪 / 墳丘築造企画 / 美作地方 / 大形円墳 / 楕円筒埴輪 / 竪矧板革綴短甲 / 長持形石棺 / 段築成 / 区型複合 / 隆起斜道 / 掘割墓道 / 葺石 / 石棺石材 / 前方部隅角 / 盆地地形 / GIS / 前方部埋葬 / 立体復元 / 墳立築造企画 / 画像処理 |
研究概要 |
これまで継続的な調査研究活動を実施してきた美作地方(岡山県北部)において、前方後円墳秩序の構造的解明をはかるうえで重要な首長墳の調査を実施した。 第一は、五次にわたっておこなった奥の前1号墳(久米町)の発掘調査である。発掘調査では、(1)中心埋葬は長持形石棺に類する組み合わせ式石棺で南側に副室をともなうこと、(2)前方部頂部平坦面上に少なくとも2基の埋葬施設が設けられたこと、(3)墳丘主軸線上の掘割墓道とは別に、石棺部材を搬入するためのルートが設けられたこと、(4)祭祀土器として楕円筒埴輪が用いられたこと、(5)副葬品の一部に竪矧板革綴短甲が含まれていたことなどを確認ないし追認した。石棺に関しては、吉井川流域に散見される他資料との比較から、石材運搬を介したネットワークを仮構することが可能となった。なお、石材は近隣に産しない凝灰岩であったが、産地は現在探索中である。(2)に関しては、埋葬施設の構造や副葬品の内容を明らかにしたが、なお他にも埋葬施設が設けられた可能性があり継続的な調査が必要である。(3)は墳丘築造企画とも関連し、川東車塚古墳(落合町)で明らかにした「隅切り」の造作に関しては、なお継続的な調査が必要である。(4)に関しては詳細に検討中であるが、入念な作りの楕円筒埴輪は岡山県下で初見であること、円筒埴輪をともなわずすべて楕円筒埴輪であること、などから吉備の枠組みを大きく越えたネットワークを想定せざるを得ない。(5)に関しては、国内三例目の発見で、やはり首長間のネットワークを考える上できわめて重要な遺物である。 第二は、釜の上古墳(柵原町)の墳丘測量調査である。本墳は、当該地方の前期と中期を画する月の輪古墳に隣接する、ほぼ同規模の大形円墳である。二代続けて築造された大形円墳の規模や形態的特徴を明らかにし、採集した埴輪の比較検討もおこなった。
|