研究課題/領域番号 |
12610566
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
言語学・音声学
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研究機関 | 愛知大学 |
研究代表者 |
片岡 邦好 愛知大学, 法学部, 助教授 (20319172)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 空間指示枠 / 空間認知 / 談話分析 / 言語人類学 / ジェスチャー / 空間表現 |
研究概要 |
本研究の目的は、マックス・プランク心理言語学研究所・認知人類学グループの研究成果をもとに、日本語、英語、ネパール語において空間概念がどのように言語化され(再)構築されるのかを、身体表象も含めて考察することが目的である。そして当該年度中の活動内容を、(1)既存談話データの文字化と分析、(2)新たな談話資料の収集と文字化、(3)国際学会における研究・発表・報告と定めた。当該年度を総括すると、ほぼこの活動は達成できたと考えている。以下では、主に(3)の成果から本研究において得られた知見を概観する。 まず一連の論文にて、近年新たに確認された言語間における空間概念化の相対性を示す結果を概説し、これらの知見が談話における空間描写の変異と多様性を解く鍵と位置づけた。主に日・英語の談話資料にもとづき、経験を通したイメージ的な表象として蓄えられた空間概念が、言語特有および共通の表出形態を通じて現れる点を指摘した。そのような空間イメージは、空間体験の想起における意識の焦点化や時・空間の直示表現とも密接に関わっている。また、日本語談話における空間指示枠の特性を、看板広告で用いられた空間指示枠の変異から再確認するとともに、そのような変異と不均衡をLevinsonの述べる「転換可能性」との関わりで論じ、普遍性と特殊性双方に基く現象である点を指摘した。さらに幾つかの学会発表において、日本人話者のジェスチャーにおける空間指示枠の転移が談話の構造と関わっていることを提案したが、まだその論文の出版には至っていない。また、ネパール語のジェスチャーに関する研究については、残念ながら今後の課題となっている。
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