研究分担者 |
山崎 洋平 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00093477)
難波 誠 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60004462)
山本 芳彦 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90028184)
小川 裕之 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70243160)
藤原 彰夫 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30251359)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
研究概要 |
本研究の目的は,代数的な等質空間において数の幾何の理論とアデール解析的な手法を使い,整数点・有理点の分布状態や高さの評価を与えることであった.3年間の研究により次のような結果が得られた.以下,Kは大域体として,GはK上定義された連結簡約可能代数群とする.GのK上定義された極大放物的部分群Qを取り,一般旗多様体X=Q\Gを考え,そのK有理点の集合をX(K)で表す.GおよびQのアデール群のユニモジュラー部分群をG(A)',Q(A)'とすれば,商空間Y=Q(A)'\G(A)'はX(K)を含む局所コンパクト空間になる.Qに対応する単純ルートを使って,Y上に自然な高さ関数H:Y→Rが定義される.実数T>0に対し,B(T)は高さがT以下のYの点からなる集合とする.このときN(T)=|B(T)∩X(k)|はつねに有限である.主な結果は次のように述べられる. 1.Kが代数体ならばN(T)〜ω(B(T))τ(Q)/τ(G)(T→∞)が成り立つ.ここでτ(G),τ(Q)はそれぞれGとQの玉河数を表し,ω(B(T))はY上の玉河測度ωに関するB(T)の体積を表す.ω(B(T))の値はGがK上分裂する場合,およびGが特殊直交群などの場合にデデキントゼータ関数の特殊値などにより厳密に表示することができる. 2.任意のG(A)'の要素gに対し,Γ(g)=min{H(xg)|x∈X(K)}によりG(A)'上の関数を定義し,Γのとる最大値をγ(G,Q,K)とおき,これを基本エルミート定数と名づける.このγ(G,Q,K)について,幾つかの関手的性質(係数制限関手による不変性,Gのある種の中心拡大による不変性など),ランキン型不等式の拡張,ミンコフスキー-ラフカ型の下からの評価等が成り立つことを証明した.
|