研究課題/領域番号 |
12660040
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物保護
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
Taylor DeMar (TAYLOR DeMar) 筑波大学, 農林学系, その他 (50261772)
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研究分担者 |
鎮西 康雄 三重大学, 医学部・医動物教室, 教授 (60024709)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | エクジソン受容体 / 卵形性 / カズキダニ / Ornithodoros moubata / エクジソン / ビテロジェニン / 内分泌学 / DNA / 卵形成 / マダニ / 内分泌的 |
研究概要 |
我々はこれまでヒメダニ科のマダニOrnithodoros moubataの卵形成に関連して、卵黄タンパク質vitellogenin(Vg)の性状解析と発現機構について研究してきた。Vgは脂肪体で合成され、体液を経て卵黄に取り込まれ、vitellin(Vn)として貯えられる。これまでの研究より、卵黄形成誘導因子(VIF)と脂肪体活性化因子(FSF)の2つの因子がVg合成を誘導することが示唆されている。VIFはペプチド、FSFはステロイドであるという可能性がある。エクジステロイドを未吸血ダニに注射すると、Vg合成が検出された。また、体液中、虫全体、生殖器官のエクジステロイド量を未交尾メス、交尾メスそれぞれについて測定を行った結果、マダニの卵黄形成および産卵にエクジステロイドが関与していることが示唆された。未交尾メスでは、エクジステロイドおよびVgは低濃度に保たれており、卵巣は成熟せず産卵も起こらなかった。一方、交尾メスでは、体液で3つ、虫全体で4つの明確なエクジステロイドのピークがみられた。最初のピークはFSFの放出開始時期に、2つ目のピークはVgの卵母細胞への取り込み時期に、3つ目のピークは産卵開始時期に一致した。4つ目のピークは虫全体にのみ見られ、これは生殖器官に蓄積させているためと考えられる。 また、O.moubataのecdysteroid receptor(EcR)とretinoid X receptor(RXR)の構造決定も行っている。この研究の結果、EcRには少なくとも3つのアイソフォームがあることが示された。現在、卵黄形成に関して時期によるEcR遺伝子の発現の違いを調べている。Vg遺伝子の塩基配列はまだ完全にはわかっていないが、その配列を明らかになれば、この遺伝子がエクジステロイド応答配列をもつかどうか確かめることができるし、より深く卵黄形成の機構を知る手がかりとなる。
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