研究課題/領域番号 |
12671223
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
矢野 雅彦 (2001) 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (70273646)
塩崎 均 (2000) 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (70144475)
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研究分担者 |
有吉 秀男 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (60294055)
藤原 義之 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40314330)
矢野 雅彦 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70273646)
井上 雅智 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (80232560)
福地 成晃 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2000年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | CDC25B / 食道癌 / 放射線照射 / 細胞周期 / チェックポイント / G2 / M期停止 / アポトーシス / p53 / P53 |
研究概要 |
1)CDC25Bが放射線治療の感受性因子になるか否かを検証するために、放射線化学療法(CRT)後手術施行した進行食道癌の切除標本で、癌細胞の遺残の有無と治療前生検標本におけるCDC25Bの発現を比較した。CDC25B高発現はCRTが組織学的に有効であった。 2)CDC25B単独では術前CRT症例の予後因子にはならないが、p53,metallothioneinと組み合わせることにより臨床応用可能な予後予測式を設立することができた。 3)CDC25Bの発現で手術例と術前CRT例を比較するとCDC25B高発現では術前CRTによる予後の改善が認められたが、CDC25B低発現では手術と術前CRTに差を認めなかった。 4)食道癌培養細胞株(TE8)にCDC25B遺伝子を導入し放射線感受性を検討した。放射線非照射時はCDC25B強制発現しても細胞周期、アポトーシスに差を見ないが、放射線照射時はCDC25B発現によりアポトーシスの増加と放射線によるG2M期停止の阻害をみた。放射線照射はCDC25B蛋白の分解を促進し、その結果CDC2のチロシンリン酸化レベルが上昇し、CDC2の活性が低下し細胞周期はG2M期で停止する。CDC25B強制発現により放射線によるCDC2のチロシンリン酸化レベル上昇し、CDC2の活性低下が阻害されていた。 5)上記の結果よりCDC2活性を上昇させる薬剤はCDC25B強制発現と同様の効果があり、放射線治療の増感剤として治療応用可能であると考えられる。カフェイン、UCN01について検討する予定である。 6)細胞株の実験で放射線によるG2M期停止とCDC2活性低下の時間には時間差があることが観察された。このメカニズムとして活性型CDC2の核への移行が障害されていることが想定される。これを検証すると同時に核移行を促進する薬剤レプトマイシンによる放射線増感効果について検討する予定である。
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