研究概要 |
1.小学校教師,中学校数学科教師のもつ授業観を教師主導・説明練習及び児童(生徒)主体・活動支援という観点によってとらえ,Type-A(教師主導・説明練習型),Type-B(中間型),Type-C(児童(生徒)主体・活動支援型)という3つのTypeを抽出した。それによって小学校教師,中学校数学科教師を抽出したとき,中学校数学科教師は,小学校教師に比べてType-Cの教師が少なかった。 2.算数・数学科カリキュラムの認識の状況をとらえるために,11個の評価尺度を開発し,その尺度によって小学校教師,中学校数学科教師の実態をとらえた。これによると小学校教師,中学校数学科教師ともに授業の展開に直接的に関わった項目に基づく尺度による得点(自己評価)はかなり高く,カリキュラムの編成主体としての認識や授業展開の柔軟さや評価等に関わる評価尺度の得点は相対的にかなり低いといえる。 3.小学校教師・中学校数学科教師の評価尺度得点を3つのType別にみるとき,Type-Aでは小学校教師と中学校数学科教師の得点の状況は類似したものになっている。しかしType-A→Type-B→Type-Cとなるに従って,授業展開に直接的に関わった評価尺度では高い得点を示す小学校教師の状況,及び評価・改善等に関わった評価尺度では小学校教師よりも高い得点を示す中学校数学科教師の状況という全体的な傾向がさらに増幅される傾向にあることがわかる。 4.児童・生徒の創造性の実態については,具体的な事例から多くの課題があることがわかった。創造性の伸長を目指したカリキュラムの編成・実施・評価のあり方を求めてさらに実践的な研究を進める必要がある。
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