研究課題
特別研究員奨励費
申請者は研究実施計画に基づき主体的に実験を行い、以下に示すような研究成果を得た。(1)前年度までの研究で強力な抗HCV活性を発見したN-89とN-251について、既存の抗HCV剤や今後日本で認可される予定の薬との併用効果等について調べた。初めに、HCVを直接標的として作られたDAA 製剤を購入し、DAA単剤で既報と同じ抗HCV活性が認められるか調べた。その結果、全てのDAAについて既報と同等以上の抗HCV活性が認められた。次に、N-89やN-251との併用効果を調べた。その結果、全てのDAAについて相加効果以上であった。次に、DAA抵抗性細胞を作成した。この細胞についてN-89やN-251への感受性を調べた結果、全てのDAA抵抗性細胞について親の細胞と感受性は変わらず、N-89やN-251とDAAの作用機序が違う事が示唆された。(2)前年度の研究でJ111, IDPO88およびIDPO66に強い抗HCV活性を見出した。今年度は抗HCV活性の作用機序を調べるため、J111とIDPO66の耐性細胞株の作成した。また、抗HCV活性を見出した化合物の構造を元に作製した誘導体の抗HCV活性の評価も行った結果、半数以上の化合物に抗HCV活性が認められた。以上の研究成果は、国内・国際学会において発表し、(1)の成果については学術雑誌に投稿予定である。今回の研究において、抗マラリア薬として開発されたN-89とN-251に強い抗HCV活性を示すことを見出し、臨床試験に向けた研究も大幅に進んだ。作用機序については完全に解明できなかったものの、今後の継続した研究によって、解明できる可能性を多いに残している。また、N-89やN-251だけでなく、PPARδアンタゴニストやLXRアンタゴニストにも抗HCV活性を見出し、多数の論文を発表した。このことから、研究課題に沿った成果が十分に挙げられたのではないかと考えられる。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (18件) 備考 (3件)
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http://www.okayama-u.ac.jp/user/med/dmb/uedayouki.html