配分額 *注記 |
30,000千円 (直接経費: 30,000千円)
2003年度: 9,400千円 (直接経費: 9,400千円)
2002年度: 9,400千円 (直接経費: 9,400千円)
2001年度: 11,200千円 (直接経費: 11,200千円)
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研究概要 |
1.アシルCoAオキシダーゼ(ACO)の結晶構造解析. ACOの結晶構造解析を完成させた.その結果判明したACOの活性部位の構造から,フラビンの酸素に対する反応制御の構造的側面が判明した. 2.D-アミノ酸オキシダーゼ(DAO)のタンパク質部分の改変による新規反応の開発. DAOの結晶構造解析による構造情報に基づいて,基質認識部位を遺伝子工学的に改変して,天然のDAOにはない酸性D-アミノ酸を酸化する酵素を設計し,開発することができた. 3.中鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ(MCAD)の遷移状態アナログの結晶構造解析. MCAD-3-チアオクタノイルCoA複合体は,これまでの多くの解析によってMCAD触媒反応の遷移状態アナログとみなされている.この複合体の結晶構造解析を完成させた.その結果を用いてフラビンと3-チアオクタノイルCoAの相互作用を密度汎関数法によって解析したところ,フラビンと基質との間の相互作用がMCADの触媒作用に重要な役割を果たすことが,理論的な計算によって検証できた. 4.人工フラビンを用いた新規アシルCoAデヒドロゲナーゼ反応の開発. 天然のフラビンとは異なる酸化還元電位をもつフラビン補酵素を化学合成し,それをMCADに再構成させて,従来にはなかった新規な反応を触媒するMCADを開発することができた.すなわち,人工フラビンとして8-シアノ誘導体を用いることによって,天然のMCADでは脱水素できないプロピオニルCoA,3-ケトオクタノイルCoAを脱水素することができる新規なMCADを開発することができた.
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