研究課題/領域番号 |
13430014
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済政策(含経済事情)
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
中込 正樹 青山学院大学, 経済学部, 教授 (30137020)
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研究分担者 |
内野 耕太郎 青山学院大学, 経済学部, 助手 (90337866)
宮原 勝一 青山学院大学, 経済学部, 助教授 (40301585)
芹田 敏夫 青山学院大学, 経済学部, 助教授 (80226688)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
2003年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2002年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2001年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | NPO / 市民社会 / 認識論 / 法と経済 / 地域通貨 / マネジメント / NPOと政府 / 市民社会的価値観 / 公共性意識 / 資産運用 / 政府の失敗 / 非営利団体税制 |
研究概要 |
本成果報告書の内容は大きく3つに分かれている。それぞれについて、その概要を説明していく。第1部は、NPOの本質・特性をいかに理解するかについての理論的・哲学的考察である。第1章では従来のNPO理解を整理するとともに、特に新古典派的なゲーム論的アプローチにより、利他主義が市場経済における囚人のジレンマの解消に役立つことを論証している。NPOが利他主義的な認識を陶冶する場としての社会的機能を果たすとしたら、こうしたNPOの育成は、市場の失敗に対する有効な処方箋となることを示唆するものとなっている。しかしこの新古典派的アプローチは、NPOがいかなる意味論的メカニズムによって、このような利他主義または市民社会的価値の陶冶の場になりうるのかを何ら具体的に考察していない。この点をより積極的に、認識論的経済哲学の視点から新たに考察したのが、第2章と第3章である。第2部の第4章と第5章は、こうしたNPOに対して、いかに経済社会的な「規律づけ」を行うかを、法学的・経済学的視点から論じている。これはNPOが営利企業とは異なって、市場原理による「規律づけ」を受けないことから、非効率性とモラルハザードに浸食されやすい点をいかに補完するかを考えるという理論的意義を有している。最後の第3部の第6章・第7章は、グラスルーツにあるNPOの経済社会的意義を具体的に明らかにするために、特にNPOと地域通貨発行の関連性を考察した。第6章は、平成13年度の夏に、アメリカ・カナダにおいて行った地域通貨実態調査の結果を含むものとなっている。なおNPOの考察を通じて得た知見をさらに拡大して、経済社会の「再生」をいかに理解すべきかの問題については、分量が多大のため、本年4月に刊行された著書(岩波書店)を直接参照されたい。
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