研究課題/領域番号 |
13450344
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物・生体工学
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研究機関 | 広島県立大学 |
研究代表者 |
宇田 泰三 広島県立大学, 生物資源学部, 教授 (20232837)
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研究分担者 |
一二三 恵美 広島県立大学, 生物資源学部, 助手 (90254606)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
2003年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
2001年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | スーパー抗体酵素 / 触媒三つ組み残基 / ピロリ菌 / ウレアーゼ / 重鎖 / 軽鎖 / クローン / ウイルス / アミノ酸配列 / 抗原 / 大腸菌 / バクテリア |
研究概要 |
酵素は基質を他の化学物質に容易に変換するが、我々が利用できる酵素の数は無数ではない。一方、抗体は酵素のように抗原を化学変換する事はできないが、どのような抗原に対しても作製可能である。従ってこの両者の性能を合わせ持つ分子は"夢のような分子"であるが、これまで誰も手にする事はできなかった。ところが申請者らはこの"夢のような分子"の作出に成功した。そこで、本研究では抗体のようにあらゆる抗原に結合でき、しかも酵素のようにその抗原(基質)を分解できる"夢のような分子"、(いわゆる「スーパー抗体酵素」)を設計・作製し、これまでとは全く異った手法で悪性細菌や悪性ウイルスを叩く分子を創製するのが大きな目的である。そのターゲットとして、胃潰瘍の原因菌で胃ガンの発生にも関与しているHelicobacter pylori菌やさらには、毎冬多くの国民が悩まされるインフルエンザウイルスなどに対する「スーパー抗体酵素」を設計・開発・取得し、その効果を見極めたいと考えて研究を行い以下の成果を得た。(1)抗体酵素の新展開や活性発現のメカニズムを解明するには第2、第3の抗体酵素を早急に見出す必要があった。その結果、41SL1-2および41S-2抗体のサブニットが酵素活性を持つ事を見出した。(2)抗体酵素の酵素活性発現メカニズムに関して、抗体酵素の酵素活性発現には触媒三ツ組残基様構造が重要な役割を果たしている事、また、多くの抗体には自然に軽鎖にこうした触媒三ツ組残基が現れやすくその確率は数十%程度であると推定された。(3)Helicobacter pylori菌に関してはHpu-2抗体重鎖(Hpu-2-H)、Hpu-9抗体軽鎖(HpU-9-L), HpU-18抗体軽鎖(HpU-18-L)などの「スーパー抗体酵素」を得る事に成功した。(4)今後の展開では花粉症やリューマチなどの一般的な病気の治療を目的とした「スーパー抗体酵素」を作製とin vitro, in vivo,をどんどん進めてゆかねばならない。
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