研究分担者 |
辻本 元 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60163804)
増田 健一 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (40313077)
岩田 晃 財団法人日本生物科学研究所, 研究部, プロジェクトリーダー(研究職) (70193745)
長谷川 篤彦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (90011923)
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研究概要 |
本研究では獣医領域における腫瘍や免疫異常疾患に対する遺伝子治療を開発することを最終目的として研究を行ってきた。具体的には1)イヌおよびネコの肝細胞増殖因子(HGF)を用いた遺伝子治療の基礎研究、2)イヌp53遺伝子導入アデノウイルスベクターの構築およびイヌ腫瘍細胞株に対する抗腫瘍効果の検討、3)FIVに対する,およびFIVを用いた遺伝子治療の基礎研究を中心に研究を進めてきた。 イヌおよびネコの肝・腎不全に対するHGF遺伝子治療の基礎研究に関しては,HGF cDNAについてネコの完全長およびイヌの部分クローニングを行った。またイヌの肝疾患に対するHGF遺伝子治療の前段階として,各種肝疾患におけるHGFおよびTGFの発現について検討を行った。またクローニングされたイヌおよびネコHGFを発現プラスミドに組み込み、その発現プラスミドの投与法(直接あるいはリボソーム法)について検討を行った。 小動物の腫瘍に対する遺伝子治療の基礎研究としては,まずイヌの各種腫瘍細胞におけるp53癌抑制遺伝子の変異と,セントロソーム異常について検討を行うとともに,我々の研究室でクローニングが行われたイヌp53遺伝子を組み込んだ組み換えアデノウイルスの作成し,その抗腫瘍効果を検討した。また抗腫瘍免疫の増強を目的として,ネコIL-18cDNAのクローニングと,イヌCTLA-4融合蛋白発現プラスミドの作成を行った。 ネコ免疫不全ウイルス(FIV)感染症に対する遺伝子治療の基礎研究としては,FIV特異的治療の評価法の確立を目的として,血漿中ウイルスRNA量の定量法を確立し,その手技を用いて血漿中ウイルス量と病態との関連性について検討を行った。またTNFによるFIV感染細胞のアポトーシスのメカニズムについて検討を行うとともに,ネコのTNFレセプターについてクローニングを行った。さらに新たなFIVの治療標的を探る目的で,ネコの血管内皮増殖因子(VEGF)のクローニングも合わせて行った。
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