研究課題/領域番号 |
13470336
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
内藤 誠二 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40164107)
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研究分担者 |
横溝 晃 九州大学, 大学病院, 助手 (60346781)
奥村 幸司 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (40325519)
古賀 寛史 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (20271108)
角田 俊之 九州大学, 大学病院, 医員
後藤 健 九州大学, 医学部・附属病院, 助手 (70325447)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
2003年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2001年度: 10,900千円 (直接経費: 10,900千円)
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キーワード | 尿路性器癌 / 薬剤耐性 / IP_3R1 / 耐性克服 / マイクロアレイ / 抗癌剤 / シスプラチン / 膀胱癌 / 膀胱腫瘍 / 抗がん剤耐性 / MDR1 / MRP1 / MRP2 / MRP3 / アドリアマイシン |
研究概要 |
膀胱癌細胞において、マイクロアレイ解析で親株とシスプラチン耐性株との間に発現の差を認める遺伝子の中からInositol 1,4,5-triphosphate(IP_3)receptor type1 (IP_3R1)遺伝子を同定した。IP_3R1は小胞体膜上に位置し細胞質内Ca濃度を調節するとともにアポトーシスを誘導する。シスプラチン耐性株T24/DDP10では、IP_3R1を強発現させシスプラチン刺激を加えると、アポトーシスが誘導された。細胞内Ca濃度の上昇のみでもアポトーシスは誘導された。またsi-RNAの手法によりIP_3R1を発現抑制するとアポトーシスを抑制し、Caのキレート剤にてもアポトーシスを抑制した。これらの結果より細胞内Ca濃度を調節するIP_3R1はアポトーシスの誘導に関連していることが示唆された。またMTSアッセイでは、IP_3R1の発現とCa濃度の上昇により耐性株のシスプラチンに対する感受性を上昇させ、IP_3R1の発現抑制とCa濃度の低下により親株のシスプラチンに対する感受性を低下させた。以上より膀胱癌のシスプラチン耐性獲得のメカニズムはIP_3R1の発現抑制により、アポトーシスに対し抵抗性になることによる可能性が示唆された。 現在シスプラチンによる加療を行った臨床検体における治療前後のIP_3R1の発現パターンを解析中であるが、将来的には抗癌剤耐性化予測因子としての活用や、IP_3R1の強発現またはCaによるシスプラチン耐性癌の治療への応用を考えている。
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