研究概要 |
本研究は,時間-周波数変換の一つであるウェーブレット変換によるマルチリゾリューショナル解析を用いて,時間信号である超短パルス光の時間と周波数の関係を光スカログラムとして直接計測できる手法を考案し,それを実現するシステムを開発することを目的とする。本年度は,昨年提案した光スカログラム計測の原理に基づいた計測システムの試作を行った。本年度の研究により得られた成果・知見は以下の通りである。 一般に、超高速時間分解分光計測では繰り返し計測が基本とされているため、リアルタイム計測は困難である。しかし、提案する光スカログラム計測の原理ではシングルショット計測が可能である。この特長を活かし、昨年度は,得られたスカログラムをリアルタイムに解析・表示するために超高速画像処理ボードを用いて実証実験を実施した.本年度は、計測システムによる撮像デバイスの撮像時間性能にのみ依存したリアルタイム計測を行う実験システムの最適化を行い,後処理を含めた計測システムの試作を行った。 後処理としては,昨年度検討を行った信号の振幅と位相を解析する解析手法を導入した.反復計算による最適化アルゴリズムを用いない方法として,空間的な干渉縞の特長を活かした方法を採用することにより,リアルタイムでの後処理が可能なシステムを構築した。
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