研究課題/領域番号 |
13558115
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
河野 健司 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (90215187)
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研究分担者 |
丸山 一雄 帝京大学, 薬学部, 教授 (30130040)
森本 惠治 大阪府立大学, 工学研究科, 助手 (20239693)
高岸 徹 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (50081336)
安河内 徹 日本油脂株式会社, 油化学研究所, グループリーダー(研究職)
柳衛 宏宣 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (30212278)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
2003年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2002年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2001年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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キーワード | 遺伝子治療 / 非ウイルスベクター / 遺伝子デリバリー / ナノバイオ / リポプレックス / リポソーム / デンドリマー / 生体材料 |
研究概要 |
本研究においては、細胞との融合を利用して、効率よく外来遺伝子を細胞内に導入する遺伝子治療用の人工ベクターの開発を目的として、研究を行った。まず、高い膜融合活性をもつ高分子の開発とその利用による遺伝子ベクターの構築を行った。種々の疎水性基をもつサクシニル化ポリグリシドールを合成し、その膜融合活性と分子構造との相関について検討し、サクシニル基含率の高い高分子ほど高い膜融合活性を示すことがわかった。この高分子を複合化したリポソームは、エンドサイトーシスで細胞内のエンドソームに取り込まれると、そこで融合し、内包物質を細胞質中に放出する。そこで、このサクシニル化ポリグリシドール複合化リポソームを遺伝子-カチオン性脂質複合体(リポプレックス)や遺伝子-カチオン性高分子複合体(ポリプレックス)と複合化し、それらの複合体の遺伝子導入活性について調べたところ、特に、リポプレックスとの複合化によって、高い遺伝子導入効率を示す複合体が得られることがわかった。さらに、複合体の組成の詳細な検討によって、従来のベクターに比べて、高い遺伝子導入効率と低毒性を示す新しいタイプの遺伝子ベクターの構築に成功した。また、カチオン性高分子ベクターのもつプロトンスポンジ効果とリポソームベクターのもつ膜融合性を併せ持つ新しいタイプのベクターとして、デンドリマー脂質を合成した。この新規脂質分子は、膜融合性脂質との複合化によって、高い遺伝子導入活性を示すことがわかった。デンドリマー部位の世代数やアルキル基の長さなどを最適化することによって、さらに高活性化が期待できる。このように、本研究を通じて、膜融合を利用した新しいタイプの遺伝子ベクターの構築に成功した。また、ベクターの遺伝子導入活性の向上のために、膜融合活性の付与が効果的なアプローチであることを示された。
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