研究課題/領域番号 |
13610093
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験系心理学
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研究機関 | 宮城大学 |
研究代表者 |
真覚 健 宮城大学, 看護学部, 教授 (40199675)
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研究分担者 |
足立 智昭 宮城学院女子大学, 学芸学部, 教授 (30184188)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 口唇裂・口蓋裂 / 表情表出 / 相貌印象 / 対人コミュニケーション / 発話活動 / 顔の認知 / 笑顔 |
研究概要 |
口蓋裂・口唇裂の幼児・小学生62名(男児31名・女児31名)と、同じく中学生32名(男児17名・女児15名)のコミュニケーション場面についてデジタルビデオによる撮影を行った。 青年期・成人期の口蓋裂・口唇裂者46名(男性15名・女性31名)の表情表出場面についてデジタルビデオによる撮影を行った。 これらの動画像を用いた実験から、以下の知見を得た。 1.単なる発声場面や口角を引く場面に比べて、笑顔表出場面では、顔の動きがより自然なものと判断される。 2.単なる発声場面や口角を引く場面に比べて、笑顔表出場面では、顔の形状がより自然なものに見える傾向が見られる。ただし、笑顔表出場面で顔の形状がより不自然なものに見える顔も存在する。 3.顔の動きのない顔に比べて、笑顔表出時の顔では、「話しやすさ」「思いやり」「たくましさ」「元気のよさ」「魅力」の印象が、すべてポジティブな方向へと変化した。 4.静止画像を用いて、口蓋裂・口唇裂者の顔と健常者の顔とで、笑顔と中立顔との弁別を行ったところ、笑顔であるという判断の速さにおいて、健常者の顔と口蓋裂・口唇裂者の顔とでまったく差は見られなかった。 5.静止画像を用いて、笑顔と中立顔とで、顔に変形があるかどうかの判断(口蓋裂・口唇裂者の顔か健常者の顔かの弁別判断)を求めたところ、笑顔と中立顔で差異は見られなかった。また、変形があるかどうかの判断は非常に困難であることが示された。 6.笑顔画像は、顔部品の検出において抑制的な効果を持つことが示された。 これらのことから、顔に変形を有する口蓋裂・口唇裂児(者)においても、笑顔の表出は対人関係の形成・維持・発展にとって有用であると結論づけることができる。
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