配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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研究概要 |
本研究では統計物理学の基本的なモデルについて,「くりこみ群」と「レース展開」の手法を用いてその臨界現象を厳密に解析することを目標とした.3年間の内に手がけた題材はいくつかあるが,その主な成果を列挙すると以下のようになる. 1.臨海現象の解析には「くりこみ群」の方法が非常に有効と思われるが,その厳密な解析は非常に難しい.そこで,「階層イジングモデル」と呼ばれる簡単化されたイジングモデルのくりこみ群を厳密に解析した.その結果,4次元以上ではそのくりこみ変換の軌道はガウス型固定点に吸い込まれることを厳密に証明した.また,このくりこみ変換を記述する偏微分方程式系を見いだし,その研究を行っている. 2.自己回避ランダムウォーク,パーレーションなどの確率論的モデルについて,その2点数が臨界点でどのように振る舞うかを詳しく解析し,結果として,「平均場的な臨界現象」を示すことを証明した. 3.東京工業大学理工学研究科大学院生の大野正雄氏の研究を支援する形で,「階層自己回避ランダムウォーク」に関するくりこみ群解析を実行した(解析はほぼ完成,論文執筆中) 4.東京工業大学理工学研究科大学院生の為永恵太氏との共同研究で,ある種の「ランダムクラスターモデル」の臨界現象を,レース展開の手法を用いて研究した.このモデルは一つのパラメーターqを持ち,パーコレーションとlattice animalを外挿するものである.パーコレーションとlattice animalは異なった臨界次元を持つので(前者は6,後者は8),ランダムクラスターモデルの臨界次元がどうかに焦点を絞って解析している.
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