研究概要 |
本研究では,輸送理論にもとづく充てん層内ふく射輸送の解析で必要となるふく射物性の一般相関散乱モデルを確立することを目的としており,以下の3項目の実験的,理論的研究を行った。 1)アルミナ球,シリカ球,ポリスチレン球より構成された球状粒子充てん層のスラブ半球透過率分布の実験的測定および半球透過率適合法による逆解析。 2)炭素鋼球,アルミナ球より構成された高温球状粒子充てん層の垂直指向射出率分布の測定および指向射出率分布適合法による逆解析。 3)充てん層ふく射物性(とくにアルベドω^*,非対称性パラメータg^^~^*)に対する一般相関散乱モデルの確立。 その結果,以下のような結論を得た。 1)半球透過率適合法により決定したアルミナ,シリカ,ポリスチレン粒子充てん層のω^*,g^^〜^*は,相関散乱モデルによる予測値に近い。 2)垂直指向透過率適合法で決定した高温炭素鋼,アルミナ粒子充てん層(温度400〜870K)のω^*,g^^〜^*は,相関散乱モデルによる予測値に近い。 3)充てん粒子群のふく射物性は,以下のモデルで記述される。 【numerical formula】 【numerical formula】 【numerical formula】 ここで,γ_3は,単一粒子のアルベドω_uの関数,fは,粒子の複素屈折率の実部mの関数である。また,ρ_H,τ_Hはそれぞれ粒子の半球反射率,半球透過率であり、g^^〜_s, g^^〜_tは、それぞれ表面散乱位相関数、屈折散乱位相関数である。
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