• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

博物館内大気浮遊粒子状物質の文化財に与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 13650662
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 建築環境・設備
研究機関独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所

研究代表者

佐野 千絵  独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 保存科学部, 室長 (40215885)

研究期間 (年度) 2001 – 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワード博物館 / 室内環境 / 粉塵 / 化学物質 / カビ
研究概要

本研究では、SPMの文化財への影響を検討し、総合的に博物館内SPM基準値策定のための評価法の確立を目指した。
1)文化財施設の浮遊粉塵の測定法についての検討
空調のある文化財施設の場合、中性能より能力の高いフィルターがダクト内に組み込まれているためSPM汚染量の少ない事例が多く、一般的には粉塵計では計測できない。短時間で汚染量を判断するためには他の手法による必要があり、本研究では粘着面に空気を直接吹きかけてSPMを採取し、光学顕微鏡を用いて粉塵を直接、目視観察して構成物組成を判断する方法で、文化財施設内の季節変化を検討した。その結果、空調のある施設でも粗フィルターのみで外気処理を行っている施設では、粉塵の構成物組成は、外気の影響を受けて季節変動をすること、空気のよどみと相関すること、また実際の展示室内では、観客などの移動体の影響が大きく、粉塵濃度予測が困難であることが分かった。
2)付着粉塵と室内浮遊粉塵量との相関について
一般的に、付着量また付着粉塵粒径は、高さ方向に対して負の相関を持つが、結露地点や高湿度となっている面では付着量が増加し、また、活性の高い状態でカビ(胞子)が存在していることがわかった。
3)壁面材の相違による付着量の増減について
壁面材の種類として、付着しやすいと予想される木材、クロス貼り、また付着しにくいと考えられるタイル壁、ポリエチレンテレフタレート材を垂直面および水平面に設置し、付着量を光学顕微鏡で観察した。またコンタクトプレートを圧着して移し替え、培養後のカビ・酵母等コロニー数を計数した。垂直面には1ヶ月程度の期間では、付着量・種類ともに材質間に有意差が認められなかった。水平面設置では、付着しにくい材質の方がコンタクトプレートへの移し替えがより定量的で、サンプリング手法として応用可能性があることがわかった。
4)堆積粉塵の粒径分布と付着菌量の関係
空調のない施設では一定の相関があることがわかった。また付着粉塵量と付着菌量、堆積粉塵量と生育菌数には相関があることがわかった。浮遊粉塵と付着粉塵の相関については、表面仕上げの材料と形状、特に凹凸と関係があることがわかった。文化財施設内のSPMの問題については、その汚染レベルが非常に低く、測定手法と評価については、より一層の検討が必要であることが、研究を通して明らかとなった。

報告書

(4件)
  • 2003 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2002 実績報告書
  • 2001 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 佐野 千絵ほか: "国宝・高松塚古墳壁画保存のための微生物対策に関わる基礎資料-パラホルムアルデヒドの実空間濃度と浮遊菌・付着菌から見た微生物制御-"保存科学. 43. (2004)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Chie SANG, Hajime MABUCHI, Sadatoshi MIURA: "Control of Microorganism in Takamatsuzuka Tumulus -Paraformaldehyde Fumigation and Its Concentration in the Tumulus -"Science for Conservation. 43. 95-106 (2004)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 佐野 千絵ほか: "国宝・高松塚古墳壁画保存のための微生物対策に関わる基礎資料-パラホルムアルデヒドの実空間濃度と浮遊菌・付着菌から見た微生物制御-"保存科学. 43. (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 佐野 千絵ほか: "図書資料のカビ対策:三康図書館の事例"保存科学. 42. 87-100 (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

URL: 

公開日: 2001-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi