研究課題/領域番号 |
13670300
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
上野 貴将 熊本大学, エイズ学研究センター, 助手 (10322314)
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研究分担者 |
滝口 雅文 熊本大学, エイズ学研究センター, 教授 (00183450)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2001年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | T細胞レセプター / 抗原提示 / HLA / 細胞障害性T細胞 / HIV / 細胞性免疫 / 組替え蛋白質 / 表面プラズモン共鳴 / 細胞傷害性T細胞 / 組換え蛋白質 |
研究概要 |
抗原特異的な細胞傷害性T細胞(CTL)は、HIV感染細胞の排除に重要な役割を担っている。HIV感染に伴う患者体内でのHLAクラスI分子による抗原提示の質的および量的変化を経時的かつ定量的に解析することは、HIV感染症の病態および発症メカニズムの解明に大きく寄与するものと期待される。本研究では、HIV由来ペプチド抗原に特異的な可溶型のT細胞レセプター(TCR)を用いて、HIV感染細胞上での抗原提示のダイナミクスを解析することを目的とした。その成果を下記に記す。 1.HIV特異的TCRの再構成とその機能解析。 HIV-1Pol由来のペプチドを特異的に認識するCTLクローンから、TCRのαおよびβ鎖をコードする遺伝子をクローニングした。マウス細胞上にヒトTCRを再構成する系を確立して、TCRの抗原への特異性とT細胞応答との関連を詳細に評価した。 2.可溶型TCRの調製とリガンド結合機能の解析。 TCRの可溶性ドメインの末端にロイシンジッパードメインを付与した発現系を構築し、それぞれの蛋白質を大腸菌内で大量発現させた。巻き戻し効率とヘテロダイマーの形成効率が非常に悪く調製が困難であったが、大腸菌由来のシャペロニンによって巻き戻り効率が飛躍的に改善した結果、ヘテロダイマーの調製に成功した。さらに、可溶型TCRとペプチドHLA複合体との結合を表面プラズモン共鳴を用いて解析した。 3.ペプチド・HLA複合体に高結合を示すTCRの同定とHIV感染細胞の抗原提示。 同一のペプチドを特異的に認識する多数のCTLクローンから、HLAテトラマーに対して高結合を示すCTLクローンを見いだした。このCTLクローンは、抗原ペプチドをパルスしたターゲット細胞は殺傷するにも関わらず、HIVが感染した細胞を殺傷することはできなかった。このことから、HIV感染細胞上で生理的に提示されるHIV由来のペプチドは、合成ペプチドをパルスした場合とは、T細胞に与える影響が質的に異なることが明らかとなった。
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