研究課題/領域番号 |
13671880
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形成外科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
中西 秀樹 徳島大学, 医学部, 教授 (90164235)
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研究分担者 |
戸田 真記 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員(臨床)
橋本 一郎 徳島大学, 医学部, 助手 (70314870)
中屋 豊 徳島大学, 医学部, 教授 (50136222)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 糖尿病 / 皮膚微小循環 / 皮弁壊死 / 血栓形成 / rabbit ear chamber |
研究概要 |
Rabbit ear chamber内に完成した微小血管網では細動脈、毛細血管、細静脈が確認でき、各々の血管内の赤血球、白血球、血小板が動的に観察できる。家兎の糖尿病モデルにrabbit ear chamberをとりつけ皮膚微小循環障害を直視下に観察した。その結果、細静脈に白血球の粘着が増加している像が観察された。また各種血管拡張剤の投与前後で血管径を測定することにより、微小血管の血管内皮細胞由来の拡張機能障害が示唆された。 塩酸サルボグレラートの投与群では糖尿病家兎の細静脈において白血球の血管内皮細胞への接着が少なくなる現象が見られた。このことは白血球接着現象にセロトニンレセプターが関与していることを示唆するものと考えられた。つぎにフルオレセインと励起光による血栓実験では塩酸サルボグレラートの投与群では、非投与群に比べて細動脈と細静脈のそれぞれで血栓形成時間が延長した。細動脈の血栓成分は血小板が中心であることと、細静脈の血栓成分は白血球が最初に関与し、さらに赤血球や血小板がしだいに血栓を形成することが今回の実験でも観察された。このことから、塩酸サルボグレラートは血小板および血管に局在するセロトニンレセプターを拮抗するために、強力な抗血栓作用を示し細動静脈の両方で血栓形成時間を延長したことが考えられた。 糖尿病家兎背部に作製した乱軸皮弁で観察したdistal necrosisについては、糖尿病家兎では壊死範囲が広くなる傾向がみられ、組織学的には皮弁遠位で血栓が多い印象があった。腹部に作製した島状皮弁では静脈をクランプした後に生じるglobal necrosisでも肉眼的には同様の所見であったが、組織学的には壊死組織が多くその観察は困難であった。Distal necrosisとglobal necrosisの両者で、組織壊死は時間とともに進行するため、その観察時期を検討する必要があると考えられた。
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