研究概要 |
Trunsored dataを用いた不完全データを採用することによって、早い寿命と遅い寿命の2種類の寿命特性グループが混在する中で、従来の尤度比検定の枠組みの中で寿命の遅いグループの存在を検定することができるようになった。このことを、電子部品の寿命、乳ガン患者の術後快復率等へ適用した。 観測時間内に故障が観測されるような寿命特性をもつfragile populationから得られたサンプルと,その時間内には故障が観測されないような寿命特性をもつdurable populationから得られたサンプルとが混在しているとき,全体に占めるfragile dataの数(あるいは比)を,またfragile populationの寿命特性を知りたい,という問題を考える.この解決法として、まずcensored data, truncated dataと今回扱うtrunsored dataとの関連を明確にした。次に、truncated dataとcensored dataとでいずれの区分で問題解決を図るかという手法に対して、尤度を用いる観点から、提案するtrunsored dataの利用が好ましいことを示した。混合分布により解決を図ることがあるが、混合比pが境界値(p=1,0)に近い場合、尤度比検定を単純に用いることはできない。そこで、混合比の制限を外した仮想的な混合モデルを考え、定義領域を広げ、その中で尤度比検定を行う手法について、まずシミュレーションの方面から調査検討した。その結果、検定は可能であり、観測データがcensored dataであるかどうかの検定を行った後に、寿命推定することが可能になった。また、定義領域を広げることで、従来の境界領域での特別な取り扱いがなくなり、通常の尤度比検定を用いることが可能になった。シミュレーションと理論的な検討結果とは良好に一致した。
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