研究概要 |
本年度の主な研究業績をまとめると次のようになる. 1.3次元線形化逆散乱解析法の非均質材料への拡張 ここでは前年度の成果を用いてコンクリートと鉄筋界面の損傷域の再構成を試みた.土木構造物を構成するコンクリート等の非均質部材を評価対象とすることから,計測実験を行うにあたり非均質材料としてセメントペーストを用い,中に鉄筋を模擬した鋼棒を埋め込みその表面に界面損傷域を模擬した欠陥モデルを作成した.これらを用いて波形計測を行い,線形化逆戦乱解析法を適用した.その結果,ボルン逆散乱解析法,キルヒホフ逆散乱解析法の双方でセメントペースト供試体中に作成した欠陥モデル部の形状が再構成された. 2.磁歪センサーの超低周波数域化と形状再構成法への適用 セメントペースト製供試体を使用し,欠陥モデルから得られる散乱振幅データを取り出す.このためには被検査対象から得られる散乱波形を,リファレンス供試体からの波形を用いてデータ処理する必要があるが,磁歪センサー等の接触型のセンサーを使用した場合においても水浸法の場合と同様に供試体中央部に平面を有するリファレンス供試体より得られる参照波形を用いてデータ処理を行うことにより欠陥再構成用散乱振幅を得ることが可能である.
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