研究課題/領域番号 |
13770508
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
|
研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
西山 佳宏 香川医科大学, 医学部, 助手 (50263900)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
|
キーワード | 放射性医薬品 / ^<99m>Tc-MIBI / 薬剤耐性 / P糖蛋白 / MRP / p糖蛋白 / LRP |
研究概要 |
化学療法に対する多剤耐性の機序は複雑であるが、その中で腫瘍細胞膜に存在するP-gp(P糖蛋白)、MRP(Multi-drug resistance related protein)、LRP(lung cancer related protein)等の関与などが示唆されている。^<99m>Tc-MIBIはP-gpで排泄される薬剤であるが、P-gp非依存性の薬剤耐性機序(MRPなど)との関係は不明である。平成13年度はIn vitroで^<99m>Tc-MIBIとMRPの関係を調べた。ヒト由来の癌細胞であるSNB19を用い、抗癌剤であるVP-16の存在下で半年間の培養を行い、抗癌剤耐性細胞を樹立した。RT-PCR法でMRPの発現を調べたところ親株であるSNB19はMRPの発現を認めなかったが、耐性株はMRPの発現をみた。これら細胞株に^<99m>Tc-MIBIを混ぜインキュベートし細胞内への^<99m>Tc-MIBIの取り込みを調べたところ、親株内への^<99m>Tc-MIBIの取り込みはみられたが、耐性株への^<99m>Tc-MIBIの取り込みは親株と比べて少なかった。つまり、^<99m>Tc-MIBIはMRPによってP-gpと同様に細胞内から細胞外へ排泄される器質であることがin vitroで示唆された。平成14年度は乳癌症例で^<99m>Tc-MIBIとP-gpやMRPの関係をin vivoで調べた。対象は10名の3cm以下の乳癌症例で手術前に^<99m>Tc-MIBIシンチマンモグラフィを施行し、腫瘍への^<99m>Tc-MIBIの取り込みの有無を視覚的に評価した。そして、その結果と摘出病巣から得られたP-gpやMRP発現の有無を比較検討した。結果は^<99m>Tc-MIBIシンチマンモグラフィで陰性であった乳癌は2例であった。その内の1例はP-gpとMRPがともに陽性であり、これら多剤耐性蛋白の関与が示唆された。残り1例はサイズが小さいためか陽性描画されなかった。8例の陽性描画された症例はいずれもP-gpは陰性であったが、MRPは3例で発現していた。これらの結果からin vivoでも^<99m>Tc-MIBIはMRPによって影響される器質であることが示唆されたが、P-gpほど強い関係ではなかった。
|