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アルコール・薬物依存の神経細胞障害と防御機構におけるカルシウムとアネキシンの役割

研究課題

研究課題/領域番号 13770555
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 精神神経科学
研究機関札幌医科大学

研究代表者

橋本 恵理  札幌医科大学, 医学部, 講師 (30301401)

研究期間 (年度) 2001 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワードエタノール / 依存 / アネキシンIV / 薬物 / 強制発現 / 自己抗体 / アルコール / カルシウムイオン
研究概要

アルコール・薬物依存におけるCa^<2+>・リン脂質結合蛋白質アネキシンの役割に関して、分子生物学的手法を用いて、特に薬物暴露による細胞障害性の観点から検索することを目的とした。アネキシンIVの発現量がエタノール暴露した培養細胞において増大することは既に明らかにしたが、MTT法で細胞障害が認められない濃度のエタノール(50mM)暴露時にもアネキシンIV発現量は対照群に比べて増大し、エタノールの直接の影響でアネキシンIVが発現変化を起こすことが示唆された。次に、アネキシンIV-DNAをトランスフェクトして強制発現を行った細胞を用いて、アネキシンIVの発現変化とエタノールによる細胞障害との関連を検討した。C6細胞ではアネキシンIVの強制発現でエタノールによる細胞障害性の増大が認められた。海馬の初代神経細胞でも同様にアネキシンIVの強制発現を行い、アネキシンIVの発現増大によりエタノールによる細胞障害活性が上昇することが示された。一方、エタノール非添加時にはアネキシンIVの強制発現による細胞障害性は認められなかった。したがって、アネキシンIVはエタノール暴露下においてエタノールによる細胞障害性を増強する働きをもつことが示唆された。既にヒト死後脳において、アルコール依存症群の海馬領域でのアネキシンIVの有意な増加を認めているが、本研究での培養細胞におけるエタノール暴露下のアネキシンIV発現量増大との結果と矛盾しない所見と考えられる。また、今回培養細胞で得られた知見をヒト-アルコール依存症の病態理解へと還元する試みとして、ヒト血清中でのアネキシン自己抗体を測定した。アルコール依存症者の末梢血において、健常者に比べてより高い抗体価の抗アネキシンIV自己抗体の存在が明らかになり、アネキシンIVがアルコール依存症の生物学的マーカーとなる可能性が示唆された。

報告書

(2件)
  • 2002 実績報告書
  • 2001 実績報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (9件)

  • [文献書誌] Ohkawa, H., Hashimoto, E.et al.: "Ethanol-induced augmentation of annexin IV in cultured cells and the enhancement of cytotoxicity by overexpression of annexin IV by ethanol"Biochim Biophys Acta. 1588. 217-225 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] Sohma, S., Hashimoto, E.et al.: "Ethanol-induced augmentation of annexin IV expression in rat C6 glioma and human A549 adenocarcinoma cells"Alcohol Cli Exp Res. 26・8. 44S-48S (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 齋藤利和, 橋本恵理: "アルコール依存症の生物学的研究とその臨床的応用"精神神経学雑誌. 104. 191-200 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 相馬仁, 橋本恵理: "アルコールによる細胞内Ca^<2+>情報伝達素子の発現変化と細胞障害性"アルコールと医学生物学. 22. 4-9 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] Sohma, H.: "Alteration of annexin IV expression in alcoholics"Alcohol Clin Exp Res. 25(6). 55S-58S (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] Shichinohe, S.: "Changes in the cAMP-related signal transduction mechanism in postmortem human brains of heroin addicts"J Neural Transm. 108. 335-347 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 相馬仁: "培養細胞株(A549, C6)におけるアルコールのアネキシン発現活性変化"アルコールと医学生物学. 21. 4-10 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 山本恵: "アルコール依存症者の血小板およびリンパ球における転写因子CREBの量的変化とリン酸化状態に関する検索"アルコールと医学生物学. 21. 108-112 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 齋藤利和: "アルコール依存の生物学的マーカー"日本アルコール精神医学雑誌. 7・2. 49-54 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2016-04-21  

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