研究課題/領域番号 |
13876040
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
林 隆久 京都大学, 木質科学研究所, 助教授 (70231529)
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研究分担者 |
馬場 啓一 京都大学, 木質科学研究所, 助手 (20238223)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | セルラーゼ / セルロース合成 / ポプラ / セルロース合成菌 / 2,6-dichlorobenzonitrile / Acetobacter xylinum |
研究概要 |
ポプラのセルラーゼは、セルロースの生合成が活発なところで発現し、細胞壁セルロースミクロフィブリル表層の準結晶性部分を分解した。シュクロースによって誘導され、そこにオーキシンを添加することによって更に強く発現されるようになった。シュクロースはシンクの場において、シュクロースシンターゼによってセルロース合成酵素の基質UDP-グルコースに変換される。すなわちシュクロースは、セルラーゼを誘導するとともに、セルロース合成の基質となることから、分解と合成が一致していた。加えて、セルロース生合成阻害剤(2,6-dichlorobenzonitrile)によってもセルラーゼの発現が抑えられた。 セルロース合成菌(Acetobacter xylinum)を使って、セルロース合成酵素オペロン近傍のセルラーゼ遺伝子を破壊するとセルロースは合成されなくなった。この変異体に再びセルラーゼ遺伝子を入れてコンプリメンテーションを行うと、再びセルロースが生産された。 生体高分子の生合成には、必ず間違いが生じる。そこで、それを修復するシステムが必要となる。DNA合成の間違いを修復するDNAポリメラーゼI、RNAのスプライシングを触媒するRNA、タンパク質のプロセシングを行うプロテアーゼやコンフォメーションを整えるシャペロンもこれらの類のものであろう。地球上で、植物は光合成によって炭素をセルロースとして固定している。固定されたセルロースは、細胞を包み込み、細胞の形・サイズを決定するための重要な生体高分子である。従って、全ての植物は、合成されるセルロースを修復しながら細胞壁骨格成分として蓄積していると結論した。
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