研究課題/領域番号 |
14078211
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
巽 和行 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 教授 (10155096)
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研究分担者 |
松本 剛 名古屋大学, 大学院理学研究科, 助手 (50311717)
大木 靖弘 名古屋大学, 大学院理学研究科, 助手 (10324394)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
63,900千円 (直接経費: 63,900千円)
2005年度: 18,900千円 (直接経費: 18,900千円)
2004年度: 18,000千円 (直接経費: 18,000千円)
2003年度: 13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
2002年度: 13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
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キーワード | 動的錯体 / 自在構築 / メゾスコピック / 金属チオラート / 金属クラスター / 金属酵素モデル / ニトロゲナーゼ / ヒドロゲナーゼ / 鉄硫黄クラスター / P-クラスター / FeMo-co / チオラート / スルフィド / 鉄 / モリブデン / タングステン / 金属酵素 / チオラート錯体 / ニッケル / 無機ポリマー / クラスター / 環状クラスター錯体 |
研究概要 |
本研究では、機能性無機材料と新規錯体触媒の開拓および還元系金属酵素活性部位の人工構築を視野に入れ、機能の宝庫で次世代の物質創造研究の鍵となる動的遷移金属カルコゲン化合物を自在に構築するため、その反応を精密に制御する新しい合成化学の確立をめざした。その結果、結合と幾何構造が柔軟な動的遷移金属硫黄クラスターや、構造が柔軟で反応活性な遷移金属錯体の合成に成功するとともに、ニトロゲナーゼやヒドロゲナーゼなどの、電子構造が柔軟なクラスター活性部位モデルの人工構築を達成した。以下にその詳細をまとめた。 1.チオラート/チオエーテル混合型配位子を用いた鉄およびニッケルの集積化 チオラートとチオエーテルは金属への配位力が異なる。これらを併せ持つチオラート/チオエーテル混合型配位子を用いることによって、鉄およびニッケルのメゾスコピック錯体を構築する新たな自己集積反応を見いだした。環状6核および10核ニッケル錯体、鎖状ポリマー構造をもつニッケルチオラート錯体などの構築に成功した。 2.ニトロゲナーゼの鉄/モリブデン/硫黄クラスター活性部位の人工構築。 従来の鉄硫黄クラスター合成では、鉄ハライドと硫黄源を極性溶媒中で反応させるのが一般的な手法であった。我々は、新たな合成手法として、鉄アミド錯体と硫黄化試剤を非極性溶媒中で反応させる方法を開拓し、Mo-ニトロゲナーゼのP-クラスター活性部位構造を再現する[8Fe-7S]クラスターの合成にはじめて成功した。 3.[NiFe]ヒドロゲナーゼ活性部位の合成 これまで反応制御が困難なためにほとんど合成例のなかった[NiFe]ヒドロゲナーゼ活性中心のモデル錯体を構築する手法を見いだした。Fe-Ni-Ni-Fe四核錯体[(CO)_3Fe(μ-S^tBu)_3Ni]_2(μ-Br)_2を出発原料とし、Na(O-o-C_6H_4SMe)との反応を行うと、溶媒のMeOHが配位した6配位ニッケルを含む鉄/ニッケル二核錯体(CO)_3Fe(μ-S^tBu)_3Ni(O-o-C_6H_4SMe)(MeOH)が得られた。ニッケル上のMeOH配位子は減圧下で容易に解離することから、このMeOHの付加脱離は可逆であり、水素分子を活性化するヒドロゲナーゼの機能を考察する上で重要な知見を得ることができた。
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