配分額 *注記 |
25,600千円 (直接経費: 25,600千円)
2005年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
2004年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
2003年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2002年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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研究概要 |
これまで不斉水素化に代表される不斉還元や不斉エポキシ化などの不斉酸化では比較的効率の高い触媒的な不斉反応プロセスが知られているが,炭素-炭素結合形成反応では一般性・汎用性ある高効率触媒的不斉化学プロセスの例は少ない.本研究では,新規不斉触媒反応として,不斉付加反応に着目し,不飽和結合への付加反応による新規不斉炭素-炭素結合形成反応の開発とその高効率化を目指した.また前例の全くない新規不斉配位子として,ノルボルナジエン(nbd)やジシクロオクタジエン(bod)骨格をもつ不斉ジエン配位子を合成し,これがロジウム触媒による共役エノンへの有機ボロン酸の不斉1,4-付加反応やイミンの不斉アリール化によるジアリールメチルアミン類の不斉合成をはじめとするいくつかのロジウム触媒不斉反応の良好な不斉配位子となることを見出した.すなわちキラルジエン配位子の使用により,従来の,たとえばbinapのような,不斉ビスホスフィン配位子を用いた場合と比べて立体選択性だけでなく触媒活性も高くなることが明らかになった.反応によっては触媒量を0.01mol%以下にまで低減することにも成功した.また,共役エノンへのアリールボロン酸の付加反応をReaction Calorimetryを用いて追跡・解析することにより,ジエン配位子は触媒サイクルの中のトランスメタレーションの段階を加速することが判明した.また同時にあまり前例のないnegative nonlinear effectなども観測することができた.このようにキラルジエン配位子は触媒的不斉合成分野に新しい研究領域を切り開くものである.
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