研究課題/領域番号 |
14310028
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
美学(含芸術諸学)
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研究機関 | 京都造形芸術大学 |
研究代表者 |
太田 省吾 京都造形芸術大学, 芸術学部, 教授 (30268461)
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研究分担者 |
芳賀 徹 京都造形芸術大学, 芸術学部, 教授 (10012303)
伊藤 高志 京都造形芸術大学, 芸術学部, 教授 (90411305)
八角 聡仁 京都造形芸術大学, 芸術学部, 教授 (10340530)
森山 直人 京都造形芸術学部, 系術学部, 助教授 (20343668)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
13,700千円 (直接経費: 13,700千円)
2005年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2004年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2003年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2002年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | 舞台芸術 / 演劇 / 舞踊 / 映像記録 / 美術史 / 記憶 |
研究概要 |
舞台芸術を、今日のメディア社会との関連において分析する場合、「記録」「ドキュメンタリズム」という理論的視点が、ドキュメンタリー演劇やパフォーマンス・アートといった演劇内のジャンルだけでなく、近代の写真や映画、さらにはそれらを生んだ政治=社会的構造まで視野に含みつつ、有効に機能する概念であることを、『舞台芸術』9号の刊行を通じて、広く一般に公開することができた。本研究プロジェクトの理論的な集大成として出版されたこの機関誌は、現代を代表する国内外の芸術家、研究者のきわめて刺激的な論考やインタヴューなどが収録され、「記録と記憶」というアクチュアルな問題領域を学術的に扱う際に考慮されるべき理論的枠組や最新の実例などを網羅したわが国初の刊行物である。 京都芸術劇場で行われた、30本以上におよぶ《上演実験》の映像記録の撮影・編集作業を通じて、舞台を記録する方法が、どんな作品にも通用する一律な手法として一般化できるわけではなく、伝統から現代の最先端の演劇・舞踊に至るまで、それぞれの舞台作品が観客の記憶にはたらきかけようとするアプローチの仕方はきわめて多様であること、したがって、現在のテレビ放送などで支配的な「中立的・客観的」な映像記録の方法にはおさまらない広がりを持っていることが分かった。こうした知見は、江戸時代の役者絵の研究を通じて浮上してきた絵師の重要性等と連動しつつ、「記録する主体」と「記録」が、上演に対する観客の集合的な記憶との関係において、その都度生成してくるダイナミックな性格をおびているのではないかという新たな地平を開拓しつつある。今後は、上記のような視点をさらに深化させつつ、戯曲等の言語的記録や、やや遅れをとっている舞台写真の研究などに発展的に応用していく必要があるだろう。
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