研究課題/領域番号 |
14350333
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
建築史・意匠
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤井 恵介 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (50156816)
|
研究分担者 |
金行 信輔 広島大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (90335703)
山本 紀子 独立行政法人奈良文化財研究所, 平城宮跡発掘調査部, 研究員 (80359447)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | 移築 / 文化財 / 移動 / 解体 / 転用 / 再利用 / 木造建築 / 文化財保存 / 城郭 / 古材 / 土台 / 仮設 / 茶人 / 重要文化財 / 緊急避難 / 醍醐寺三宝院 / 土居 / 建築売買 / 用途変更 / 古建築 / 造替 |
研究概要 |
本研究は、移築という建築的行為に焦点をあてて、それを解明することを目的とした。 1.移築事例の収集移築例は膨大な数に上る。指定文化財のなかから、移築例を収集した。遺構そのものが現存しているのだから、移築の際の理由、技術的な問題が具体的に判る。2.移築事情の解明移築の事情は多様なものであった。単なる廃物利用、由緒の継続、政治的な意味など、それぞれの事例によって異なる。事例ごとに詳しく調査を行った。3.移築の技術的な課題の解明移築は木造建築技術に特有の技術を必要とする。それが無ければ、移築は実現できない。解体あるいは曳家が主たる方法であるが、移築前と後では建築の形態がことなることも少なくない。それらを明らかにした。4.移築という行為の意味の解明以上の調査で明らかにされた事例を整理して、移築の類型化を行った。ごく日常的に行われた移築から政治的な意味、由緒の保存、というような特別な意味をもつ移築まで、広範な状況が明らかになった。本研究は、移築という行為を取り上げるが、広くは建築の在り方を解明することを目標としている。移築は建築の転用、すなわち当初建築からの第二次利用、第三次利用というような、再利用・用途変更の問題を含む。また、当初の材料がどのように流れ、最後の廃材まで、材木の大きな流れを追跡することにもなる。これは、極めて現代的な課題である。以上のような視点からの研究は、建築史の分野では開始されたばかりである。このような建築の在り方の研究は、従来の建築の見方に大きな変更を迫るものと考えている。また同時に、世界的な視野から見ると、木造建築の持つ大きな特性の一つを改めて確認することに繋がると考えている。
|