配分額 *注記 |
14,700千円 (直接経費: 14,700千円)
2004年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2003年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2002年度: 8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
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研究概要 |
複数の構成相から成る複合材料粉末を溶射すると,成膜過程において,熱力学的に不安定な構成相の分解が懸念される.しかし,反応性溶射では,インプロセス反応によって熱力学的に安定な目的の化合物を生成するため,生成複合皮膜の形成に極めて効果的である.本研究において得られた主な成果は以下の2項である: (1)Al合金基材の表面被覆として,代表的な固体潤滑剤(黒鉛)を含む鋳鉄に着目し,前焼鈍した黒鉛を含む粉末の溶射皮膜,プラズマフレームによって黒鉛化焼鈍した皮膜,CH_4を用いてインプロセス黒鉛化を図った皮膜,さらに,hBN粉末を複合化して固体潤滑剤を増量した皮膜を形成した.また,高Si,高Al,高P鋳鉄粉末の溶射では,黒鉛化は容易になるものの,溶射したままの皮膜には黒鉛晶出が認められない.黒鉛を含む鋳鉄溶射皮膜は,黒鉛の析出量が普通鋳鉄と同程度で非常に硬いマトリックスから成るため,鋳鉄溶射皮膜の耐摩耗性は,遠心鋳造した鋳鉄ライナーよりも著しく優れている. (2)Al-40wt%Si-10wt%Mg合金粉末をDCプラズマ・RFプラズマ溶射,HVOF溶射によって皮膜形成をした.その皮膜硬さは,HVOF,DC,RFの順になる.皮膜断面組織のち密性も硬さと同順である.加えて,HVOF溶射では皮膜の加工硬化,RFプラズマ溶射では飛行溶滴温度が高くMgの蒸発が皮膜硬さを低下させる.一方,Al-Si-Mg合金粉末にSiO_2微粒子を複合化した溶射材料では,インプロセス反応によってMgAl_2O_4など強化相の生成が期待できる.最も硬い皮膜はDCプラズマ溶射によるものであり,HVOF溶射では低温高速フレームのためインプロセス反応が進行せず,一方,RFプラズマ溶射では高温低速フレームのため,溶射材料中の強化に寄与するMgの蒸発が硬さの低下原因である.
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