配分額 *注記 |
12,400千円 (直接経費: 12,400千円)
2004年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2003年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2002年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
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研究概要 |
千葉県柏市,我孫子市,沼南町にまたがる手賀沼において,休耕中の周辺水田に富栄養化した湖沼水を導入し,野菜を栽培するシステムの開発を試みた. 14年度は,実用規模の栽培を前提として,湖岸型の栽培システムをベースにして,新たな栽培システムを開発した.レールシステムにより収穫の効率化を図ると同時に,給液システムの最適化を図った.これまでの収穫機を大幅に改良し,収穫物が大きくなっても刈り取りが可能なものを新たに設計・試作した. 15年度は,ベッドの基本構造を,幅30cm,高さ20cmの小型水路状とし,複数の栽培システムを作成して試験を行った.試験中は,栽培システムの片側から手賀沼の水を連続給水した.いずれのシステムでも収量は下流にいく程低下したが,水のECやNO_3-N濃度は下流でも低下しなかった.また,水中に含まれる懸濁物質(SS)の沈殿量が上流ほど多く見られたこと,給水からSSを除去すると収量が低下したことから,SSがエンサイの生育に影響を及ぼしていることが示唆された. 16年度は,15年度に開発した栽培システムを改良すると同時に,エンサイを導入した場合の適正な栽培方法,給液量の決定を行った.この結果,ベッド長は20mまでの溝構造のものが適しており,給液量は一株当たり1日36リットル以上必要であると結論づけた.また,富栄養化水中の無機イオンと同様に,SSに含まれる栄養成分が,植物の生長に大きな役割を果たしていることが明らかになった. 食品としての安全性を確認するために,14年度には収穫物の重金属濃度を分析し,16年度には収穫物に付着した菌相の調査を行った.この結果,洗浄・加熱すれば食用として安全性には問題がないことが判明した.冬期に導入可能な作物の候補の選定は,ポット試験を実施し,いくつかの作物が栽培可能な作物としてあげられた.
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