研究課題/領域番号 |
14370275
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 福井大学 (2004) 福井大学(医学部) (2002-2003) |
研究代表者 |
土田 龍郎 福井大学, 医学部附属病院, 助手 (70303386)
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研究分担者 |
岡沢 秀彦 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 助教授 (50360813)
古川 高子 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 助教授 (00221557)
小俣 直人 福井医科大学, 医学部附属病院, 助手 (30334832)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
10,800千円 (直接経費: 10,800千円)
2004年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2002年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | Positron emission tomography / セロトニン / うつ病 / 脳内神経受容体 / 脳血流量 / αメチルトリトファン / Positron Emission Tomography / セトロニン |
研究概要 |
日本の社会情勢の変化に伴い、近年鬱病の罹患率が増加傾向にあり、その病因の解明と治療法の確立が重要となっている。脳内でのセロトニン代謝が、鬱病も含めた精神疾患に関与しているという報告は多いが、セロトニンの脳内合成率や受容体の機能の解明はまだ十分には行われていない。本研究では、セロトニン合成能および受容体機能の定量測定の簡便化と、動物実験でのセロトニン作動性神経系の機能解明および臨床応用を目指して、基礎実験と人でのPET検査を行っている。まず、定量測定の簡便化においては、動物実験での測定法の改良が図られた。入力関数を得るための頻回の動脈採血は、その解析とともに時間、労力を要するため、セロトニン合成率の計測に用いるαメチルトリプトファンを使った動物実験で新しい簡便法を検討した。ラットに対し、抗うつ薬投与を行い、同数のコントロール群との脳内セロトニン合成率の差を比較した。簡便法として、標準入力関数を用いた方法(方法1)と、標準入力関数を1点採血で校正した方法(方法2)を考案し、それぞれの誤差を求めた。分布容積算出の誤差は、方法1,2とも10%未満と良好な結果が得られた。また、速度定数を個々の入力関数にて算出した群と比較すると方法1,2とも有意な差は認められなかった。結果として、セロトニン合成率の計測には簡便法が利用できると考えられた。臨床応用としては、同じトレーサーを用いた鬱病患者のPET検査で、正常コントロール群との脳内セロトニン合成率の差を検討し、有意な局所差を認めた。また、セロトニン受容体作動薬投与による脳血流量の変化を測定し、その効果を検討した。健常成人を対象に、酸素15標識水を用いたPET検査にて脳血流量(CBF)および動脈-毛細血管血液量(V_0)を測定した。測定はセロトニン受容体_<1B/1D>作動薬服用前、服用40-80分後(10分間隔)の任意の3点で行なった。CBF、V_0とも服用前と比べ、最大13%の低下を示した。CBF、V_0の最大作用発現時間は、それぞれ服用60分前後であり、服用80分後には服用前の値に戻っていた。セロトニン受容体_<1B/1D>作動薬は、脳大血管の血管収縮によるCBF、V_0の低下をもたらし、その回復は脳小血管におけるCBF低下時の自動調節に関与することが示唆された。
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