配分額 *注記 |
11,100千円 (直接経費: 11,100千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2003年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2002年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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研究概要 |
1.日本の科学研究体制の特徴を検討するために,国公立試験研究機関および民間研究機関,大学附置研究所に関するデータ収集を行った. 2.そのデータはおおよそ以下の通りであった. 各研究所の創設年,変遷,研究目的,研究分野,主な研究テーマ,研究対象,研究者数,予算規模,出版物,取得特許件数等 3.収集したデータをもとに,日本の科学研究制度の展開と研究機関の発展を比較検討した. 4.その結果,公立試験研究機関は明治時代の殖産興業に起源を持つ地場産業育成の試験・研究目的とした機関としての特徴を今日まで残している.大正期から昭和初期にかけて研究機関数の増大があり,また戦争直後に増大のピークがあり,その後も増加を続けている.研究分野の多くは工業技術,産業技術であるが,地域に依存する資源や伝統技術とも関わった研究機関の存在も特徴の一つといえる.地域別には北海道,九州沖縄については開発庁等による特別の政策が存在して,人口に比して研究機関数が多い.しかし,東北,中国,四国は研究機関数が少ない. 5.国立研究機関は明治初年に起源をもっ研究所もあるが,研究所数の増加は1950年代〜60年代の高度経済成長時代と2000年代の今日に集中しており,近年の増加であることがわかる. 6.民間研究機関の大半は高度経済成長期に増加し,その後80年代,90年代に急激に増加を見た.分野別構成を見ると素材,エネルギー化学,医薬,機械,バイオ分野が突出している.規模では100人以下の研究員数が圧倒的である.また,研究所の変遷も経済状況と深く関係しており,商品開発部門としての位置づけが先行し,革新的なシーズを生み出すような基礎的部門の研究基盤にはないといえる. データの集積がようやく完了したが,研究所の盛衰,消長,変動が激しく,結論めいたことを述べる状況にはないので,日本の科学技術政策との整合的な展開が不十分であることだけ指摘しておく.
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