研究分担者 |
堀田 龍也 静岡大学, 情報学部, 助教授 (50247508)
水越 敏行 関西大学, 先端科学技術推進機構, 研究員 (20019409)
久保田 賢一 関西大学, 総合情報学部, 教授 (80268325)
加藤 隆弘 金沢大学, 教育学部, 専任講師 (10324063)
中川 一史 金沢大学, 教育学部, 助教授 (80322113)
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研究概要 |
教員養成段階で「総合演習」を受けていない教師にとっては,総合的な学習の時間の設計・展開に未知の部分が多い。これまでの教科のねらいを達成することを主眼とした授業設計の知見には、学習指導要領に示された「自ら学ぶ」ねらいに関して,参考にすべきことはあまり多くない。体験を重視しながら自主的な学びを生起させるという新しいカリキュラムにおける,新しい授業設計の方法を考える必要がある。これに対して,総合的な学習に先駆的に取り組む教室の観察から,具体的な活動をベースにしながら,ねらいについても具体的に記述し,そのねらいにつなげるための手だて(しかけ)を意図的に行い,さらに,それらに基づいて評価を蓄積するような「帰納的授業設計」の流れを抽出し,それを「学習環境デザイン」と呼んだ。 この観点で実際の教師の行動を分析すると,従来の授業設計には含まれないさまざまな意図が,実際にデザインされているし,そうでなければ学習の展開がうまくいかなかったり,活動だけが行われて,子どもにとって意味のある学習になっていなかったりすることが見えてきた。 この学習環境デザインをマイクロソフト・エクセルを用いて定式化し,それを利用しながら学習環境デザインを行った結果,単元のねらいを教師が明確にもつことができるようになり,そのために指導すべきポイントや,援助すべきことがイメージしやすくなり,また,各学校で設ける評価の観点ごとのねらいのふりかえりにもつながること,子どもの評価を保護者と話し合うためにも有効であること,などが明らかになった。
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