配分額 *注記 |
11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
2004年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2003年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2002年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
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研究概要 |
(1)ダミーDNAを用いた情報のロック,アンロックに関する実験 個人遺伝子情報の保護を行うための基礎技術として,修飾物質を用いたダミーDNAによる情報のロックを行いシークエンシングによる塩基配列決定が困難であることを実験によって示した.また,修飾物質の除去によって,オリジナルのDNAのみのシークエンスが可能となり,オリジナルDNAの塩基配列が可能となることを実験によって確かめた.さらに,ダミーDNAを修飾せず,オリジナルDNAのみにアニールするキープライマーを用いて,情報をロック,アンロックする系を作成し,実際に情報のロック,アンロックが可能であることを実験的に確認した. (2)個人遺伝子情報保存のためのセキュアな階層的アドレス型DNAメモリの開発 個人遺伝子情報保存のためのセキュアなデバイスとしてDNAを用い,必要な際に鍵の情報を知る場合にのみ情報を取り出すことのできるシステムの構築を目指して研究を行った.DNAの塩基配列として,個人遺伝子情報をコード化し,複数の鍵として機能するDNA断片(キープライマー)を階層的に結合した形でデータを保存する.悪意のある者からデータを保護するため,実際の鍵となるデータ以外には,ダミーの情報をコード化したDNAを膨大な数用意する.データの読み取りには,複数のキープライマーを用いたNested PCRを行うことで実行する. 研究期間の前半では,27種類の異なるデータを含むDNA分子から目的のデータの取り出しが正確に行えることを実験によって示し,各段階でのデータの取り出しを観察する実験系を構築し,各段階でのエラーを抑えるための実験プロトコルの最適化を行った.その後,保存したいデータ以外のダミーDNAをランダムに大量生成するための方法を考案し,65,536種類のダミーDNAを生成することに成功した.さらに,目的とするデータに対応するキープライマーを用いた4階層のNested PCRを行って,対応するデータが適切に読み出せることを確認した.目的としないデータに対するPCRでは,データが取り出せないこともいくつかのプライマーを用いることで確認した.
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