研究概要 |
本研究は,知的障害や言語障害,広汎性発達障害,学習障害などの発達障害を対象とするインターネットのWWW(world wide web)を用いて,疑いのある障害に関する情報提供や,発達障害児者の客観的な評価を求める保護者・教師・施設職員に対する教育診断・相談システムを開発し,実用化に向けて検討することを目的とした(決して医学診断ではなく,教育診断システムであることを明記する).昨年度まで,東京学芸大学教育実践研究支援センター(旧特殊教育研究施設,H16年度より改組)では,電話による相談や面接相談を実施し,相談者のニーズを把握する研究を行ってきた.そうしたけ研究知見に基づき,インターネット提供による発達障害児者への発達ならびに教育診断システムの開発研究を行った.本システムは、「(1)教育診断・相談プログラム(幼児期版、学齢期、成人期版の3つの年齢期で構成;各々の時期に応じたチェックリスト項目を搭載)http://www.jasssdd.org/WebAssessment/」、「(2)動画配信による遊び・日常生活技能の発達チェックプログラムhttp://www.jasssdd.org/Movie/」、「(3)動画による施設紹介・適性簡易チェックプログラムhttp://www.jasssdd.org/ShisetsuTour/」と、「発達障害の病院,相談施設,療育・指導機関データベース」の3つのプログラムと1つのデータベースで構成されている。HP上で公開し、試験的運用を重ねて、項目やプログラムの再検討をおこなって最終版を確定した。最終版を用いて、幼稚園3や小学校2、養護学校2、知的障害者施設2の研究協力を得て、実践的シミュレーションをおこない有用性の検証をした。
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