研究分担者 |
金光 滋 近畿大学, 産業理工学部, 教授 (60117091)
秋山 茂樹 新潟大学, 理学部, 助教授 (60212445)
松本 耕二 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (60192754)
鈴木 浩志 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 講師 (70235993)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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研究概要 |
この研究は,ラマヌジャンによる,リーマンゼータ関数の正の奇数点での値の解析的表示に端を発する.その本質を,ボホナーが創始したモデュラー関係式と,Inverse Mellin transofrom with shifted argumentと捉え,その観点から,ラマヌジャンとガイナンドの等式の関係,ディリクレL-関数の整数点での値,多重フルヴィッツゼータ関数の分数点での値の解析的表示を導出した.それらはいくつかの論文として発表したが,特に"Ramanujan's formula and modular forms"は我々の研究の集大成的な性格を持った論文で,ラマヌジャン-ガイナンドの公式とアイゼンシュタイン級数の保型性の間の関係や,そこでモデュラー関係式の果たす本質的な役割を明確にした.またモデュラー関係式の一般化を試み,いくつかの場合に新しい結果を得た. 結晶のエネルギー状態を示すものにマデルング定数というものがあるが,我々はそれを,エプシュタインゼータ関数(格子ゼータ関数)の特殊値とみなし,エプシュタインゼータ関数の様々な解析的性質から,マデルング定数の急収束表示や,各種結晶のマデルング点数間の関係式を導出した. 上記以外に,関数等式を満たす一般ディリクレ級数の2乗モーメントを計算し,誤差項の詳しい評価を与えた.L(1,χ)の2乗平均に関しては,ディガンマ関数の2乗平均に帰着させ,桂田-松本の結果よりはるかに深い結果を導いた.多重ゼータ関数に関しても多くの研究をおこなった.たとえば一般多重ゼータ関数の解析接続,オイラー・ザギヤー型の2重ゼータ関数の虚軸方向のオーダー評価である.特に後半は,オイラーマクローリンの和公式を改良し,指数和,指数対の理論を駆使したものである.
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