研究課題
基盤研究(C)
私共は本研究において、神経芽腫や肝芽腫の腫瘍組織内で発現している遺伝子群を、Differential display法やマイクロアレイ法を用いて解析し、トランスクリプトームの観点から、腫瘍の臨床的及び生物学的特徴を明らかにする事を試みた。また、マイクロアレイ法により得られた遺伝子発現プロファイルから、効率よく生物学的及び臨床的に有用な遺伝子発現情報を抽出するため、解析する実験系に応じた複数のデータ・マイニング法の確立を試みた。Differential display法とQRT-PCR法とを用いた、神経芽腫における遺伝子発現解析の結果、hCDC10 mRNAの腫瘍組織内における高発現量は、腫瘍の悪性度の低い生物学的特徴と相関を示すと同時に、患者の良好な予後と相関を示す事が明らかになった。マイクロアレイ法を用いた肝芽腫組織や正常肝組織の解析では、肝芽腫組織や正常肝組織に特異的な発現遺伝子群を同定し、その解析過程で、生物学的に異なる組織間で発現パターンに差がある遺伝子群を同定する、データ・マイニング法を確立した。また、時系列の遺伝子発現プロファイルを解析する手法を確立するため、5-fluorouracil(5-FU)に暴露された大腸癌細胞株SW620の経時的遺伝子発現プロファイルや、一過性の虚血-再灌流傷害を受けたマウス海馬における、経時的遺伝子発現プロファイルを解析し、時系列の遺伝子発現プロファイルを解析するための、データ・マイニング法を確立した。本研究により、神経芽腫や肝芽腫の臨床的及び生物学的特徴に関連した、多くの発現遺伝子が同定された。また、マイクロアレイ法によって得られた遺伝子発現プロファイルから、生物学的及び臨床的に信頼性の高い情報を抽出するためには、統計学的解析法と教師付き学習法や教師なし学習法などのアルゴリズムを併用するのが、有効な方法の一つである事が示された。
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