研究課題/領域番号 |
14570845
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
柴 和弘 金沢大学, 学際科学実験センター, 助教授 (40143929)
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研究分担者 |
森 厚文 金沢大学, 学際科学実験センター, 教授 (90019604)
小川 数馬 金沢大学, 学際科学実験センター, 助手 (30347471)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | シグマ受容体 / ヨードベサミコール / 分子イメージング剤 / アルツハイマー病 |
研究概要 |
シグマ受容体はラットにおいて、老齢化に伴い増加する傾向があり、また、シグマ受容体アゴニストは抗不安作用やストレス緩解作用があるとされている。これらのことは、シグマ受容体は老化やストレスによる、精神神経的な異常に対して、正常に保とうと強く働いている可能性がある。したがって、アルツハイマー病のような痴呆疾患において、シグマ受容体を調べることにより、その進行度(重傷度)を把握できる可能性がある。そこで、シグマ受容体用脳内分子イメージング剤の開発を検討した。我々はアセチルコリントランスポーター(VAChT)に対して高い親和性を持つベサミコール誘導体が、シグマ受容体にも高い親和性を持つことを見いだしている。そこで、ベサミコールを基本骨格とする新規シグマ受容体リガンドを見つける研究を行うことにした。先ず、ベサミコール誘導体を合成し、検討した結果、ベサミコール誘導体の(+)の光学活性体で、ベサミコール誘導体のフェニルピペリジン部分のパラ位にヨウ素を導入した化合物である(+)-p-iodovesamicol((+)-pIV)がVAChTに対して、低親和性を示すとともに、シグマ受容体に対して、高い親和性(シグマー1;Ki=1.3nM)を示すことがわかった。そこで、次に、^<125>I-標識化を検討するため、^<125>I-標識化のための前駆体となりうるトリブチルスズ体であるP-トリブチルスズベサミコールの合成し、放射性ヨウ素標識化の検討を行った結果、放射化学的収率81.1%、放射化学的純度99%以上で標識することができた。次に、標識した(+)-[^<125>I]pIVをラットに投与し、摘出法及びオートラジオグラム法により脳内分布を調べるとともに、ハロペリドールやペンタゾシンのようなシグマリガンドを前投与したインビボ薬物阻害実験を行った。その結果、(+)-[^<125>I]pIVはシグマ受容体が多く分布している海馬、扁桃核群、皮質等に特徴的な集積が観察された。また、シグマリガンドの前投与により、(+)-[^<125>I]pIVの海馬、扁桃核群、皮質等の集積が減少したことから、ラット生体脳での(+)-[^<125>I]pIVの脳内分布はシグマ受容体の分布に反映したものであるとわかった。以上のことから放射性ヨウ素標識(+)-pIVがシグマ受容体マッピング剤としての有用であることが示唆された。
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