研究課題/領域番号 |
14571226
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
藤田 知信 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20199334)
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研究分担者 |
北島 政樹 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90112672)
松崎 ゆり子 (鈴木 ゆり子) 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40255435)
河上 裕 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50161287)
北川 雄光 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20204878)
渡邊 昌彦 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (80146604)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | MSI大腸癌 / 変異ペプチド / 免疫療法 / 癌抗原 / SEREX / フレームシフトタンパク / TGFBRII |
研究概要 |
MSI陽性大腸癌は、一般の大腸癌と比較して、低分化型腺癌や粘液癌が多いにもかかわらず、予後が良好である。その原因としてMSIにより生じるフレームシフト変異ペプチドが、腫瘍特異的抗原として、免疫系に認識されている可能性が考えられている。我々は患者血清IgG抗体を用いた癌抗原のcDNA発現クローニング法(SEREX)を用いて、CDX2のフレームシフト変異ペプチドに対して、腫瘍特異的にIgG抗体反応が起こることを報告した。そこで本研究では、タンパク翻訳領域に反復塩基配列を持つタンパクに免疫反応が引き起こされるかを、自己のSEREX法と遺伝子データベースを利用して体系的スクリーニングする方法を用いて網羅的な探索を行った。2例の自己SEREXシステムによって26遺伝子が単離されたが、同定された遺伝子の中には反復配列を含む遺伝子は存在しなかった。遺伝子検索からTGFBRII、BAX、TCF-4、CASP-5、SEC63、AIM2、OGT、RAD50の8種の候補遺伝子を選択し、大腸菌で組換え変異タンパクを作製し13名のMSI陽性患者血清でウエスタン法、ELISA法により検討したが抗体は検出できなかった。しかしこれら腫瘍組織で遺伝子変異が認められたことから、上記TGFBRIIとは異なる、組換えタンパクを作製し、4例のMSI陽性大腸癌患者でウエスタンブロット法にて検討した。MSI-Hの患者3例でTGFBRII遺伝子の変異が認められ、その中の1例で変異型TGFBRIIタンパクを認識するIgG抗体が血清中に存在した。TGFBRIIで3例中1例にしか抗体が認められないことから、MSI陽性腫瘍において変異ペプチドが免疫応答を誘導することは、必ずしも多くないことを示しているのかもしれないが、抗体反応とT細胞反応は異なるので、T細胞で免疫応答を検討する必要があると考えられた。
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