研究課題/領域番号 |
14571858
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
齋藤 設雄 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (70137537)
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研究分担者 |
荒木 吉馬 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (20005036)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2003年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2002年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 金銀パラジウム合金 / 耐食性 / X線光電子分光分析 / 機械的性質 / 耐硫化性 |
研究概要 |
本研究では従来型の金銀パラジウム合金組成をベースとして、パラジウム量を減らし生体に安全な金量を増加させて、耐食性と安全性が確保できる合金組成を明らかにするとともに、実用の可能性を検討することを目的とした。 第1段階では合金の耐硫化性試験を行い、XPSによる表面分析から硫化物層の厚さを求め、これより耐硫化性を評価した。第2段階では合金の機械的強度について検討を行った。その結果、以下のような知見が得られた。 1.合金中のパラジウム量を減らしても金添加量を増加させることにより耐硫化性は維持あるいは改善された。 2.一方、合金中の貴金属の添加比率が同じでも、銅量が多くなると硫化物層が厚くなる傾向を示した。硫化に及ぼす銅量の影響を検討するため、同一合金を表面処理(酸洗、溶体化処理、研磨処理)によって表面組成を変化させた試料を用い、耐硫化性試験を行った。その結果、Cu濃度の低い酸洗後に比較して、Cu濃度の高い溶体化処理後や研磨処理後の試料では生成する硫化物層が厚く、Cu量が硫化に関与していた。 3.耐食性を改善するため銅量をある程度減少させた合金でも市販合金に相当する機械的性質を有することが明らかとなった。 本研究より従来型の金銀パラジウム合金よりもパラジウムを減らし金の添加量を多くした合金の耐変色性および機械的強度は従来型の金銀パラジウム合金に劣らないことが分かった。 なお、今後の展開として、口腔内に長期存在した場合を想定し、合金の溶出試験を行い、溶出イオンなどアレルギー等を考慮した生物学的な面からの評価を行い、実用合金としての可能性を総合的に検討する。
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