配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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研究概要 |
1.紅麹成分の単離と構造決定並びに生物活性試験用化合物の調製 紅麹(Monascus pilosus IFO4520)抽出物より6種のアザフィロノイド:Monascin(1),Ankaflavin(2),Rubropunctatin(3),Monascorubrin(4),Rubropunctamine(5),Monascorubramine(6),2種のフラノイソフタライド:Xanthomonascin A(7),Xanthomonascin B(8),及び2種の新規アミノ酸:(+)-Monascumic acid(9),(-)-Monascumic acid(10)を単離した. 2.紅麹成分の抗発がんプロモーター活性の一次スクリーニング試験 1)Epstein-Barrウイルス早期抗原(EBV-EA)発現の抑制効果:上記10種の化合物についてRaji細胞におけるEBV活性化抑制試験を行い,6種の化合物(1,3〜5,9,10)に顕著な抑制効果を確認した. 2)マウス耳殻におけるTPA誘発炎症抑制効果:上記10種の化合物について炎症誘発抑制試験を行い,7種の化合物(1〜6,10)に合成消炎剤Indomethacinと同等かそれ以上の抑制効果を確認した. 3.紅麹成分の抗発がんイニシエーター活性試験 1)ヒト正常肝由来細胞のNOR1処理によるNO障害に対する抑制試験:上記10種の化合物について抗発がんイニシエーター活性の一次スクリーニング試験であるNO障害に対する抑制試験を行い,4種の化合物(3,4,7,8)に中程度の抑制効果を確認した. 2)マウス皮膚におけるPeroxynitriteをイニシエーターとしたin vivo二段階発がん試験:Monascin(1)について本試験を行い,この化合物が顕著な抑制効果を示すことを確認した(論文投稿中). 3)マウス皮膚におけるUVBをイニシエーターとしたin vivo二段階発がん試験:Monascin(1)について本試験を行い,この化合物が顕著な抑制効果を示すことを確認した(論文投稿中). 以上,本研究により,Monascin(1)を始め,紅麹色素成分は化学発がん及び環境発がんに対する予防剤として有用であることが示唆され,これらの有用性は今後の更なる動物試験並びに臨床試験による検証が必要である.
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