研究概要 |
陰性の造影剤SPIOについては、現在直腸癌の臨床症例を用いて、内視鏡下で粘膜下注射を行いその後24時間後にMRを撮像して傍直腸リンパ節の転移有無について検討した。転移リンパ節にたいするSPIOの取り込みは認めなかった。正常リンパ節にたいするSPIOの取り込みは、認めた。陽性の肝胆道系造影剤のGd-EOB-DTPA, Gd-BOPTAとGd-DTPA-DeAの3種類の造影剤と細胞外液性造影剤のGd-DTPAを用いてのMRリンパ管造影の可能性について比較検討した。検討には、26匹の雌ラットが用いられた。各々のラットの左右後足足背に造影剤を0.08ml皮下に注射した。撮像法は、3D-FSPGRである。Popliteal lymph node(PLN)とlymph duct(LD)(extremity region, iliac, para aortic, thoracic duct)の描出について検討した。Gd-DTPA(125,250,500mol/ml),Gd-EOB(125,250)とGd-BOPTA(125,250.500)において、lower extremity regionからpara aortic regionのLDのgradeは、good visualizationあるいはvisualizationであった。Gd-DTPA(50_mol/ml)において,lower extremity regionからpara aortic regionのLDのgradeは、poor visualizationであった。PLNは、(24/26)のケースに置いて造影後5分で最高の値をしめした。PLNは、造影後30分までよい造影効果を示した.そしてこのときにGd-DTPA(500),Gd-EOB-DTPA(125,250),Gd-BOPTA(250,250.500),とGd-DTPA-DoA(50,125)のSNRは、20を超えた。肝胆道系造影剤のGd-EOB-DTPA, Gd-BOPTAとGd-DTPA-DeAの3種類のMR造影剤と細胞外液性造影剤のMR造影剤であるGd-DTPAを用いて良好なMRリンパ管造影を行うことが出来た。
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