研究課題
若手研究(A)
本研究により、マウスTreg細胞特異的または優位に発現している分子をcDNAサブトラクション法により32個を見出し、その中から細胞膜ドメインを持つ候補分子を6個を同定した。同様の方法により、ヒトTreg細胞特異的またはTreg細胞優位に発現している分子51個から、13個の細胞膜候補分子を同定した。ヒトTreg細胞特異的な13個の細胞表面分子については、in vitro translation法による全長タンパク質の精製、細胞外ドメインよりマウスシークエンスとホモロジーを持たない部位から選択した抗原性の高いペプチドとKLHとの結合体の作製、His-tag遺伝子を挿入した各種cDNAプラスミドのBALB/c3T3導入株の作製などを行い、それら免疫原のマウスへの免疫によるポリクローン抗体作製、免疫マウス脾細胞とミエローマ細胞との融合による単クローン抗体の作製作業をほぼ終了している。上記新規Treg細胞表面分子に特異的な抗体を用いたTreg細胞除去と、腫瘍関連抗原ペプチドを用いた抗メラノーマCTL誘導法の併用による実験的がん免疫治療法の実施に先だって、まず初期的に抗γδTCR抗体や抗CD25抗体投与による抑制性細胞除去またはTreg細胞活性抑制性の天然薬物(シジュウム)の経口投与と、TRP-2ペプチドによる経皮免疫療法との併用療法を行った。結果、B16メラノーマ細胞をB6マウスに移植後5日目における経皮免疫療法と抑制性細胞除去(抗γδTCR抗体または抗CD25抗体投与)の併用療法、またはシジュウム経口投与マウスへのB16メラノーマ細胞の移植後5日目に経皮免疫療法を行う併用治療では、経皮免疫効果と抑制細胞除去による抑制除去効果による強い相乗効果が観察された。抗γδTCR抗体投与または抗CD25抗体投与と経皮的TRP-2免疫法の併用療法では、それぞれ30%または5%程度のマウスで完全なB16腫瘍退縮が観察された。以上より、本研究で同定された抑制性細胞表面分子特異的抗体を用いた抑制性細胞の効果的な除去と抗腫瘍CTL誘導法との併用療法によるメラノーマ免疫治療法は、今後の有力なメラノーマ免疫治療法になりうる可能性が浮上した。
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