研究課題/領域番号 |
14730098
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経営学
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
竹田 陽子 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 助教授 (80319011)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 情報開示 / 素形材産業 / 3次元CAD / サプライヤー / 企業間関係 / 技術に対する認識 / インセンティブ・システム / 燃料電池 / 技術情報のオープン化 |
研究概要 |
本研究の、企業が情報を開示する促進要因と阻害要因は何なのか、コラボレーションや取引にはどのような情報の開示が必要なのかといった問題意識に対して、本年度は、素形材関連サプライヤーと顧客企業の間の情報技術を利用したコミュニケーションのあり方について、実証研究をおこなった。3次元CAD、CAM、CAEといった製品開発プロセスに利用される3次元情報技術群は極めて多義性を持った技術であり、特に近年は企業間のデータ連携やコミュニケーションに活用できるという側面が強まっているため、完成品メーカーだけでなく部品や加エサービスを提供するサプライヤーが技術の特性を理解して活用できなければ、その潜在力を十分発揮させることができない。本研究では、素形材関連サプライヤーの情報化の実態調査(素形材センター239回収)のデータを使い、製品開発において使われる3次元CADなどの3次元情報技術に対して素形材関連サプライヤーがどのような認識を持っているのかを分析した。 分析の結果、素形材関連サプライヤーは、3次元情報技術によって特定顧客との関係を深めようとする方向性を持ち、特定顧客と自社の双方が含まれた範囲においてプロセスを最適化しようとする顧客統合群、特定顧客に偏らない幅広い取引関係を志向しつつ、顧客との密接な相互調整をおこなう内部プロセス改革群、顧客からの指示を正確に情報転写する手段として3次元情報技術を認識しており、プロセス改革をおこなう手段として認識していないデータ受領群、特徴がはっきりしない低意識群の4群に分類できた。3次元情報技術に対する認識に影響する要因としては、経営資源の豊富さ、特定顧客への売上依存度と今後の意向、暗黙的には顧客からの要求があった。企業間コミュニケーションのデザインをおこなう際には、これらの企業特性にコミュニケーションと情報技術の利用のスタイルが影響を受けることを念頭におかなければならないことが明らかになった。
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