研究課題/領域番号 |
14780537
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鎌田 このみ 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助手 (80312354)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 細胞極性 / 出芽酵母 / 細胞膜 / 脂質二重層 / リン脂質 / トランスロケーション / 細胞生物学 / リン脂質のトランスロケーション / 細胞骨格 / アクチン / ミオシン / シャペロン |
研究概要 |
前年度までに私は、出芽酵母における細胞極性形成に関わる新たな因子として、膜蛋白質であるCdc50pを同定し、Cdc50pはアミノリン脂質トランスロケース(APT)てあるATPaseの一員、Drs2pと複合体を形成して働くことを明らかにしていた。Cdc50pは相同性の高い蛋白質が広く真核生物に存在し、ファミリーを形成している。出芽酵母にもCdc50pファミリーに属する蛋白質がさらに2つ(Lem3pとCrf1p)存在し、それぞれAPTに属するDnf1p、Dnf2pとDnf3pと複合体を形成することを示し、Cdc50pファミリーがAPTのサブユニットとして機能していることを明らかにしてきた。真核細胞の細胞膜は、膜を形成する二層の間でその構成要素であるリン脂質の組成が異なることが知られており、これは膜リン脂質の非対称性とよばれている。この膜リン脂質の非対称性は、APTの作用により制御されていると考えられているが、その詳細な制御機構や生理的意義についてはほとんどわかっていない。 本年度は、Cdc50pファミリーの解析をさらに進め、以下のことを明らかにした。 (1)Drs2pと複合体を形成し、後期ゴルジ体及びエンドソームに正常に局在することは可能であるが、機能を失っているCdc50pの新たな変異を同定することができた。このことから、Cdc50pは、Drs2pを正しく輸送する働きだけでなく、さらに何らかの重要な役割を果たしていることが示唆された。 (2)出芽酵母Cdc50pファミリーの3つの因子の機能を全て失った細胞は、early endosomeを介した蛋白質のrecycling経路に異常が生じることを見出した。 (3)Cdc50pファミリーのうち、細胞形質膜に主に存在するLem3pを欠損した細胞では、細胞増殖時の娘細胞の極性成長が正常に制御されなくなることを見出した。このことから、細胞形質膜のリン脂質の非対称性の制御が極性成長の制御になんらかの役割を持つことが示唆された。 今後これらの研究をさらに進めていくことで、細胞の極性形成や維持にリン脂質の非対称性がどのような役割を果たしているのかを明らかにできると期待される。
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