研究課題
特別研究員奨励費
住血吸虫症はアジア諸国の農村で流行し、農民への感染が主に水田での作業に因ること、スイギュウ、イヌ、野鼠等が保虫宿主になることから、農村の保健衛生および家畜衛生と密接に関連した人獣共通感染症となっている。一方、ヒトおよび動物での診断に用いられる糞便検査法の感度が低く、これに代わる、汎用性が高くかつ高感度な診断法の開発が待たれている。私達はこれまでに、日本住血吸虫症の患者の診断に高感度・高特異性を示す抗原分子、および保虫宿主(スイギュウおよびイヌ)の診断に高感度・高特異性を示す抗原分子を3種類(SjTPx-1、Sj1TRおよび Sj7TR)同定している。今年度は、更に複数の抗原候補分子を準備する目的でSjp40M、Phosphoglycerate mutaseおよびphytochelatin synthase(SjPCS)の血清診断用抗原性能を患者血清を用いてELISAで評価した。その結果、SjPCSおよびSjp40Mの2種類の抗原分子に高感度・高特異性が認められた。そこで、SjTPx-1、SjPCSおよびSj7TRの融合組換え体抗原(SjTP7)を作製して、その患者血清に対する感度・特異性をELISAで評価した。その結果、SjTP7は患者血清に対して高感度(92%)と高特異性(97%)を示した。現在、同融合組換え体抗原の保虫宿主血清に対する抗原性能を評価している。一方、媒介貝からの寄生虫抗原検出系の開発に関しては、SjTPx-1組換え体タンパク質によるウサギポリクローナル抗体およびマウスモノクローナル抗体の作製に着手するとともに、寄生虫の感染率を評価する定量PCR(qPCR)実験系を整備した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 4件) 備考 (2件)
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