研究課題/領域番号 |
14J02372
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
思想史
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
稲葉 肇 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(PD)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2017-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2016年度)
|
配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2015年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2014年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 科学史 / 思想史 / エネルゲーティク / オストヴァルト / ドイツ |
研究実績の概要 |
本年度は,ヴィルヘルム・オストヴァルト(Wilhelm Ostwald, 1853-1932)のエネルギー論に対するさまざまな反応を検討し,主として三つの成果を挙げた.ひとつは,統計力学・気体運動論と化学との関係についての論考である.この論考では,統計的方法による物理化学の試みの系譜を取り出して記述したが,その過程においては,オストヴァルトら,熱力学的手法を推奨する立場からの批判を考慮することが必要であった.統計力学を推進する物理学者たちは,つねに,そうした化学者の側からの批判に答える必要があったのである.二つ目の成果は,統計力学の歴史に関するものである.とくに,ギブス(Josiah Willard Gibbs, 1839-1903)のアンサンブル理論がどのように受容され,また批判され,そして適用されたかについて,オーストリア・ペラウで開催された第2回物理学史国際会議で報告を行った.いまひとつの成果は,20世紀初頭におけるさまざまな形態のエネルギー論を,オストヴァルトのそれと比較する形で提示する準備が整ったことである.まず,エドゥアルト・フォン・ハルトマン(Eduard von Hartmann, 1842-1906)の著書に現れるエネルギー論的世界観を検討した.この中でハルトマンはたしかにエネルギーが物理学の根本的概念であると認めているものの,オストヴァルトのエネルギー論は方法論的にも存在論的にも維持できないと論じている.さらに,ヴィーンの高等農業学校の幾何学・測地学教授だったヨーゼフ・シュレージンガー(Josef Schlesinger, 1831-1901)の「エネルギー主義」とその来歴を検討し,それが催眠術やテレパシーなどの超心理学的な現象を説明するために案出されたことや,反唯物論的な傾向を持っていることなどを明らかにした.
|
現在までの達成度 (段落) |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
|