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対抗宗教改革期のボローニャ絵画-16世紀後期のカラッチ一族による作品群研究-

研究課題

研究課題/領域番号 14J03610
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 美術史
研究機関東京藝術大学

研究代表者

山本 樹  東京藝術大学, 大学院美術研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2014-04-25 – 2016-03-31
研究課題ステータス 完了 (2015年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
2015年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2014年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
キーワードカラッチ / 対抗宗教改革 / ボローニャ / カラッチ一族 / ガブリエーレ・パレオッティ / 神話画
研究実績の概要

今年度は市内中心部の邸宅カーザ・サンピエーリのフレスコ作品群を中心的な考察対象として研究に取り組んだ。以下、今年度の研究概要とその具体的成果を記して研究実施状況の報告とする。
サンピエーリ邸の居室装飾のうち、今回は1階の隣接する三つの広間にわたる作品群を考察対象とした。このうち天井部の3点についてはヘラクレスが神格化されるまでの上昇過程という連続的なシナリオを読み取りうるのに対し、暖炉上の3点の壁画については主題上の関連性を認めえないことから、先行研究でもプログラムの解釈は曖昧なままにされてきた。本研究ではこの点を問題視し、従来漠然と〈悪徳〉とのみ称されてきた暖炉上の3点が、ある固有の寓意性を持つ主題として選択されたものであること、また、各広間の天井画と壁画とのあいだに、プログラム上の対応性を読み取りうることを示した。具体的には、ダンテ『神曲』地獄編の本文とその註解書を手掛かりに、怪物カークス、巨人エンケラドス、そして欲望の神プルートーという三つのモティーフが、16世紀当時の神話受容のなかで教訓化された寓意性を持つものであることを明らかにした。サンピエーリ邸の作品群は、単にヘラクレスの功業譚を視覚化した「物語連作」ではなく、教訓性を秘めたエンブレマティックなものとして読み解かれるべきであると考えられる。またカラッチ一族の画業全体においては、バロックのモニュメンタルな作品であるファルネーゼ宮殿の装飾プロジェクトに結実してゆく、重要な一過程に位置づけられる。本考察を通じて、対抗宗教改革が強力に推し進められた16世紀末のボローニャにおいても、神話主題の絵画は教訓化されることでその命脈を保ったのではないかという一定の結論に辿り着くことができた。
この研究内容に基づき、今年度5月には美術史学会全国大会で口頭発表をおこなった。また学会誌『美術史』への投稿論文も査読を経て採択された。

現在までの達成度 (段落)

27年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

27年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(2件)
  • 2015 実績報告書
  • 2014 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2016 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] カラッチ一族によるサンピエーリ邸のフレスコ作品群―その図像プログラムに関する一考察―2016

    • 著者名/発表者名
      山本樹
    • 雑誌名

      美術史

      巻: 180号 ページ: 237-252

    • NAID

      40020819446

    • 関連する報告書
      2015 実績報告書
    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] ガブリエーレ・パレオッティ『聖俗画像論』序文(翻訳解題)2014

    • 著者名/発表者名
      山本樹
    • 雑誌名

      『Aspects of Problems in Western Art History(東京藝術大学西洋美術史研究室紀要)』

      巻: 12 ページ: 105-111

    • 関連する報告書
      2014 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] カラッチ一族によるカーザ・サンピエーリ=タロンのフレスコ作品群―その図像プログラムに関する一考察―2015

    • 著者名/発表者名
      山本樹
    • 学会等名
      美術史学会
    • 発表場所
      岡山大学津山キャンパス
    • 年月日
      2015-05-24
    • 関連する報告書
      2015 実績報告書
  • [学会発表] カラッチ一族によるカーザ・サンピエーリ=タロンのフレスコ作品群―その図像プログラムに関する一考察―2015

    • 著者名/発表者名
      山本樹
    • 学会等名
      美術史学会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2015-05-24
    • 関連する報告書
      2014 実績報告書
  • [図書] ヴェロネーゼ―カナの婚宴2015

    • 著者名/発表者名
      越川倫明、山本樹
    • 総ページ数
      79
    • 出版者
      西村書店
    • 関連する報告書
      2015 実績報告書

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公開日: 2015-01-22   更新日: 2024-03-26  

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