研究課題/領域番号 |
15032206
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
青江 知彦 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (90311612)
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研究分担者 |
山本 達郎 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (20200818)
青野 光夫 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (40292693)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2004年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2003年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | quality control / 小胞体 / 蛋白質 / KDEL受容体 |
研究概要 |
分泌蛋白、膜蛋白は小胞体で成熟し細胞内に分泌輸送されて機能を発現する。虚血、低酸素、毒物や蛋白の一次構造の変異などにより異常蛋白が小胞体に集積すると小胞体ストレス反応が起こり、異常な蛋白は分解(ER associated degradation,、ERAD)処理される。近年、酵母の研究から異常蛋白のなかには一旦小胞体から分泌され、ゴルジ体から小胞体へ逆輸送されなければ分解されないものもあることが報告され、ゴルジ体から小胞体への逆輸送はquality control機構の重要な要素である事が示唆されている。我々は、KDEL受容体が、ゴルジ体から小胞体への逆輸送を担うCOPI小胞輸送の制御機構であると共に、小胞体quality control機構の重要な要素でもあることを示して来た。本研究においては(1)変異KDEL受容体を過剰発現させ、ゴルジ体小胞体間の逆行性輸送を制限した場合、あるいは野生型KDEL受容体を過剰発現させ逆行性輸送を促進した場合に、quality control機構にどのような影響が及ぶかを、それぞれの安定発現培養細胞で検討した。変異KDEL受容体発現細胞では小胞体に異常蛋白の集積が見られ、小胞体ストレスに感受性が高かった。(2)野生型あるいは変異KDEL受容体を過剰発現させたトランスジェニックマウスを解析し、個体レベルで逆行性輸送が促進あるいは制限された場合の病態を検討した。変異KDEL受容体トランスジェニックマウスでは生後10数週で死亡するものが見られた。解剖の結果心臓の拡大が見られ、心不全死による事が分かった。組織所見から心臓病変は拡張型心筋症に相当した。また、心筋細胞内には蛋白の異常な凝集、沈着が見られた。 以上の結果より、KDEL受容体によるゴルジ体から小胞体への逆輸送はquality control機構の重要な要素である事が個体レベルでも示唆された。
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